話題のエシカルブランド「andu amet(アンドゥ・アメット)」(前編) | 東京散歩 * Allons Nous Promener aux Milieux de Tokyo

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今話題のエシカルバッグ・ブランド「andu amet(アンドゥ・アメット)」の方からお話を聞く機会がありました

ethical(エシカル)、つまり「倫理的な」ということ。
近年、世界の貧困問題や環境問題に意識を向けた、「エシカルな」ビジネスを展開する企業が増えています。
環境に配慮したオーガニック製品だったり、労働者に公正な賃金を支払うフェアトレードなどもエシカルな取り組みに含まれます。

今回の講演は、当初は代表の鮫島弘子さんにお話いただくことになっていたのですが、エチオピアへの急なご出張(安部首相のエチオピア訪問に付随する関連行事に列席されるようです!)のため、鮫島さんを支えるプロボノのおひとりが代わってお話くださいました。

そう、「エチオピア」。
「andu amet」はアフリカ・エチオピアの最高級シープスキンを使ったレザーバッグを提供しているお店なのです。しかもそのバッグは、エチオピア国内の工房で、エチオピアの人々によってひとつひとつ手でつくられているのです。

化粧品会社でプロダクトデザイナーとしてお勤めだった鮫島さんが、JICAの青年海外協力隊でデザイナーとしてエチオピアに飛んだことからすべてが始まった、とのこと。

自然豊かなエチオピアは、同時に古い歴史を持つ国でもあります。
人類の祖先とされている猿人にアウストラロピテクスっていましたよね?このアウストラロピテクス骨が発見されたのがエチオピアです。

またエチオピアは、紀元前から独立国家を維持してきた国でもあり、「アフリカ最古の独立国」ともいわれています。
アフリカ大陸の国々は、とりわけ19世紀後半以降、欧米列強に次々と土地を奪われ、植民地化されていきましたが、エチオピアとリベリアだけは植民地化をまぬがれた国としても知られていますね(もっともエチオピアは、短い期間ではありましたがイタリアに占領された時期がありましたので、「植民地になったことがない」という表現は問題がある、ともいわれています)。

しかし今、エチオピアは世界最貧国のひとつとされています。

鮫島さんは、青年海外協力隊でエチオピアの貧困を目の当たりにして衝撃を受けたわけですが、その貧困問題を打開するために注目したのが現地でとれるシープスキンだったそうです。

軽くてやわらかいエチオピアのシープスキンの品質は、以前から世界最高峰の皮として高く評価されていて、例えば某ドイツメーカーの高級自動車のシートにも使われているそうです。
にもかかわらず、エチオピアが貧しいのは、エチオピア国内では皮を加工する技術が未熟であるため、原皮に付加価値がつけられることなく、そのまま輸出されていることに起因しているとのことでした。

原皮を輸入したイタリアやフランスで、皮がなめされ、製品となり、それが「イタリア製」あるいは「フランス製」として、高価格で世界に販売されているのが現状とのこと。つまり、エチオピアのシープスキンに支払われるお金がエチオピアにはおちてこない、という状況になっているわけです。

それで鮫島さんは、エチオピア国内で皮を加工し、製品をつくって売るという仕組みをつくることで、エチオピアにきちんとお金がおちるようにする必要があると考えたわけです。
ここに「andu amet」がエシカル・ブランドだといわれる所以があります。

・・・次回に続きます。

2013年日経ウーマン・オブ・ザ・イヤーのキャリアクリエイト部門でも受賞された鮫島弘子さんの記事はネット上にあまたありますが、私が今回お聞きした内容をほぼ網羅していたのはこちらの記事でしょうか。ぜひご参考までに☆