他でもない自分自身の
目と耳で実際に見聞きし
自分自身の手で実際に触れて確かめて
これこそが間違いのない
紛れもない「この世の現実」なのだと思い込んでいたものが
実はこれ以上なくあやふやで
これ以上なく脆弱で
そしてこれ以上なく曖昧なものなのであったと気付かされたときの
人々の困惑は
そして人々の絶望は
一体どれほどのものになるのだろうか

だが、すべてはそこで一旦終わり
そして、すべてはそこから新たに始まることになるのだろう

今日ですべてが終わるさ
今日ですべてが変わる
今日ですべてがむくわれる
今日ですべてが始まるさ
(泉谷しげる『春夏秋冬』より)

パンドラが箱を開けて
たくさんの邪悪なものが飛び出したあと
たった一つ箱に残ったものがある
それは「希望」
私は人類に残された「希望」を信じたい