最クリ(第7章)雪だるまトーマス | ミレディ strange novel

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~最初で最後の最高のクリスマス~
          (最クリ)


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♪Last Christmas♪First To Eleven(小説メイン)

 

 

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アパート・めぞん2号館203号室では。

大内浩太郎の娘梨乃が

大内の遺品を整理していた。

(お父さん、こんな狭いアパートに

一人で住んでいたんだ。

ずっと亡くなったお母さんの

帰りを待っていた。


お父さん、認知症だったから

お母さんが亡くなった事

覚えていなかったのかな・・・。




でも、今頃天国でお母さんと

再会しているのかな。

やっと二人になれたね、


お父さん・・・、お母さん・・・)


そのとき、玄関付近から

犬が吠える声がした。


「ワンワン!ワンワン!」

(え?犬の吠え声?外から?)

梨乃は、玄関のドアを開けた。

すると、一頭の白い犬がいた。




「え?貴方は?」

「クーン」


白い犬は、浩太郎の家に入った。

「あ!ちょっと待って!ワンちゃん!」

白い犬は、何かを探している様子だった。

「ねえ?ワンちゃん何しているの?

お父さんの事知っているの?」

「クーン」


白い犬は、ある箱を見つけた。





「ワンワンワン!」

「え?この箱がどうかしたの?」


すると、白い犬は外に出て行った。

「あ!ちょっと待ってよ!ワンちゃん!」

梨乃は外に出たが

白い犬はもういなかった。

梨乃は家に戻った。

(あのワンちゃん、この箱を見つけた・・・。

何が入っているのかしら?


包装紙に包まれている?

もしかして誰かに渡す為の

プレゼントかしら?


でもいったい誰に?)


梨乃は包装紙を外し

箱を開けた。


 

 

(え!?何よこの雪だるまの縫いぐるみ!?)

梨乃は、雪だるまの縫いぐるみを

取り出した。

(なんでお父さんが持っているの!?

誰かに渡すつもりだったの?)





梨乃は、管理人の城島の家にやって来た。

「え!?この縫いぐるみが浩太郎さんの家に!?」

「はい、きっと誰かに渡すつもりだったのでしょう。

でも、それが誰なのか全く見当が付かないのです」


「もしかすると?」

「え?何ですか?城島さん?心当たりあるんですか?」

「実はアパート・1号館、103号室の住人で

横田真理愛ちゃんという女の子が


住んでいるんです。

多分、真理愛ちゃんに渡す為の

プレゼントかも知れません」


「お父さんが女の子に?」

「ええ、浩太郎さんはよく公園のベンチで

真理愛ちゃんという女の子と

仲良くしていましたからね」


「そうだったんですか・・・。

あの頑固者だったお父さんが・・・。

女の子と仲良くするなんて・・・」


「梨乃さん、この縫いぐるみ

真理愛ちゃんに渡してもいいですか?」

「ええ、勿論です。

お父さんが望むなら・・・」



城島は、梨乃から雪だるまの

縫いぐるみを受け取った。


「あと城島さん、私がお父さんの部屋を

整理しているとき、一頭の白い犬が

いました。

その白い犬が、その縫いぐるみが入った


箱を見つけてくれたんです。

でも、すぐに何処かへ行って

しまいました。


城島さん、白い犬の事知っていますか?」

「ああ、確か浩太郎さんは、

野良犬を飼っていましたね。

確か百花と名付けていました」


「百花?私の亡くなった母の名前です」

「そうだったんですか・・・。

おかしいと思っていたんです。

確かその白い犬オスだったと思います。

なのにどうして女性の名前を


付けるのかなって思っていました」





その頃、白い犬はトーマス通りを

歩いていた。

「はぁ、はぁ、はぁ、」

白い犬は百花だった。

主人浩太郎を失ってから

百花は一人彷徨っていた。



百花は、ちょうどペットショップ・スズの前を

通り過ぎた。

そのとき、店長の木下春香が

買い物から戻って来た。


(あれ?あそこに白い犬がいるわ・・・。

ああ!あの白い犬!もしかして柴犬!?

確か鎌倉動物愛護センターの職員

稲垣さんが必死に探していた白い柴犬!?


名前はラッキー・・・)


春香は、突然走り出した。

それに気付いた白い犬は

驚いて逃げた。

「ああ!待って!逃げないで!

貴方はラッキーなの!?

稲垣さんが必死に探している

白い柴犬のラッキーなの!?

ちょっと待ってよ!」



白い犬は、居なくなった。


「はぁ、はぁ、はぁ、

何処に行ったのかしら?


確かに稲垣さんが言っていた

特徴の犬だわ。

白い柴犬・・・。


一時は話題ななった犬・・・。

恋人犬に会う為に


数キロの海を渡り、

マスコミにも取り上げられた犬・・・。




稲垣さんに報告しないと!」




一方、白い犬百花は

トーマス通りの走っていた。

そのとき、道の脇から

黒いパーカーを着た女性が

出て来た。

「キャ!」

百花は、女性のすぐ前を

走り去った。

(びっくりした、白い犬が突然

飛び出してくるから・・・)



 

近くにレストラン・春夏秋冬があった。

ショーウィンドウの中に

大きな雪だるまの縫いぐるみ

トーマスが置かれていた。

さらにトーマスの側に

テレビが設置され、

動画と音楽が流れた。


♪恋人がサンタクロース♪Nozomi(効果音)

 




黒いパーカーを着た女性は、

動画を見ていた。

(そうか、そろそろクリスマスね。

毎日警察に追われていたから、

逃げるの必死で、クリスマスの事なんか


忘れていたわ・・・。



そう言えば、良樹と二人で

クリスマスを祝った事があるわ。


いつも不愛想な顔をしていた

良樹だったけど、私と一緒にいるときは、

笑顔を見せてくれた。


そして私を愛してくれた。

あの頃がとても幸せだった。

あの幸せが永遠に続くと

信じていた。



良樹、私の為に

クリスマスプレゼントに

ダイアの指輪と真珠のネックレスを

渡してくれた・・・)



女性は、首に掛けていた

真珠の首輪を取った。


(良樹、今すぐ貴方に会いたい・・・。

貴方と一緒に、誰も知らないところで


暮らしたい。

貧しくてもいい、良樹と一緒なら・・・

何処へでも行くわ・・・。


きっと私、この世で良樹しか

愛せない・・・。

他の人を愛すなんて

考えられない・・・。


私には良樹しかいない・・・。

ああ、良樹に今すぐ会いたい・・・)



そのとき、遠くからパトカーの

サイレンの音がした。





●パトカーのサイレンの音●

 




(やだ!パトカーだわ!

逃げないと!)



女性は、近くにあった喫茶店に入った。

女性は店内からパトカーを見ていた。


(たぶん私を探しているんだわ・・・。

今はまだ捕まりたくない・・・。

もう少しだけ、もう少しだけ待って・・・。

もう一度良樹と再会するまでは、


捕まりたくない・・・。

お願いだから居なくなって・・・)




「こちら横浜東署パトカー313号!

ただいまトーマス通りを巡回中!

容疑者は今のところ

見つかっていません!どうぞ!」


「おい、堀内、よく探せ。

もしかするとトーマス通りに

いる可能性がある。


付近で黒いパーカーの女が

目撃されている。

きっとその女が容疑者の女だ!

名前は浜崎ミシェルだ!


義理母殺害の容疑がある!

必ず探し出し逮捕するんだ!」

「了解!」



警察官の堀内は巡回を続けた。

(全く!あの鬼刑事矢沢め!

本庁から来たからって偉そうに!

俺達地方警察を奴隷だと


思っているのか!



それにしても、何故刑事矢沢は

そこまでして容疑者の浜崎ミシェル逮捕に

全力をあげるんだ?

本庁の刑事さんが。

もしかして容疑者の女に惚れているのか?


聞いたところによると、容疑者の女

浜崎ミシェルは、ハーフで金髪で

なかなか美人だと聞いている。


いったいどんな女なのか


楽しみだな)



一方、刑事矢沢は・・・。

(浜崎ミシェル・・・、必ず捕まえてやる!

何があっても必ず!

俺の刑事人生を掛けてまでも

必ず探し出してやる!


そして、時間をたっぷりかけて

尋問してやる!


あんないい女、そう簡単にはいない。

俺が存分に可愛がってやる!

フフフ・・・)




(もう12月だなぁ・・・。

もうすぐでクリスマスなのに、

真理愛には、一緒にクリスマスを


楽しんでくれるお友達がいない・・・。



やっぱり、今年のクリスマスも

真理愛は一人なのかな・・・。

お母さんも宏美叔母さんも


一緒にクリスマスを楽しむのは

無理だし・・・)



「コンコンコン!」

「あ、もしかして宏美叔母さん?」


真理愛はドアを開けた。


「真理愛、お金持って来たから」

真理愛は宏美からお金を受け取った。

「あ、そうそう、真理愛に話があるんだけど、

叔母さんね、会社の人と

しばらく旅行に行くことになってね。


だから、今日みたいにお金を持ってくるのが

出来なくなるわ。

お母さんにも伝えているから」


「うん・・・」

宏美は去った。


真理愛は、再び部屋に戻り、

窓から外を眺めた。

しばらくすると、再びノックの音が聞こえた。

「コンコンコン!」

(あれ?誰かな?

叔母さんは既に来たのに・・・)


真理愛は、ドアを開けた。

「やあ、真理愛ちゃん」

「管理人さん?」

「実はね、真理愛ちゃんに

渡したい物があってね」


「渡したい物?」

管理人の城島は、

真理愛に雪だるまの

縫いぐるみを渡した。

「ああ~!トーマスだ!

どうして管理人さんが!?」

「大内のお爺ちゃんから頼まれたんだよ」


「大内のお爺ちゃんから!?」

「そうだよ、真理愛ちゃんがサンタさんに

お願いしたらしいじゃないか。


サンタさんからプレゼントを貰いたいって。

雪だるまの縫いぐるみを。

だから、大内のお爺ちゃんが

真理愛ちゃんの為に


プレゼントを用意してくれたんだよ」

「大内のお爺ちゃんがサンタさん

だったんだ」


「そうだね」

真理愛は、トーマスを抱き締めた。

「ありがとう、大内のお爺ちゃん・・・

大内のサンタさん・・・」






♪Mr.Snowman♪E-girls(挿入曲)short

 

 

 

 

 

Next time continue・・・

 

 

♪All I Want For Christmas Is You♪Mariah Carey

(小説サブ)

 

 

 

 





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