最クリ(第4章)賛美歌 | ミレディ strange novel

ミレディ strange novel

奇妙な小説を求めて・・・

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~最初で最後の最高のクリスマス~
          (最クリ)


●小説詳細一覧●

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♪Last Christmas①♪Taylor Swift(小説メイン)

 

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真理愛が学校から帰宅すると、

ひまわり公園のベンチに

住人大内浩太郎が

ベンチに座って本を読んでいた。

大内の近くには

犬百花もいた。



 

 

「ワンワン!」

犬百花が真理愛を見て吠えた。

真理愛は立ち止まり

犬百花を見ていた。


「お嬢ちゃん?学校帰りかな?」

真理愛は頷いた。

「こっちにおいで、百花がお嬢ちゃんと

仲良くなりたいみたいだ」



真理愛は、恐る恐る近づいた。

「クーン」

犬百花が真理愛の洋服を

匂いした。

「百花、良かったな、お友達が出来て」

「ワンワン!」


「え?この犬、人間の事がわかる・・・?」

「そうだよ、お嬢ちゃん、百花は人間の


言葉がわかる賢い犬なんだ」

「凄い・・・」


真理愛は微笑ながら

犬百花の頭を撫でた。


「やはり女の子は笑顔が似合うよ」

「え?」

「お嬢ちゃん、真理愛ちゃんって


言うんだろう?

1号館103号室に住んでいるよね?」


「あ、はい・・・」

「時々真理愛ちゃんを見かけるけど、

殆ど笑わないからね。


女の子なのに勿体ないと

思っていたんだよ」


「・・・」

「でも、今真理愛ちゃんは


笑ったから可愛いなと思ったんだよ」

真理愛はほほ笑んだ。

(このお爺さん優しい人なんだ。

良かった、真理愛、人に褒められたの

初めて・・・。


いつも家では、お母さんに怒られて

いつけど・・・、宏美叔母さんにも・・・)



「あのう・・・」

真理愛が大内に声を掛けた。

「ん?どうした?真理愛ちゃん?」

「あのう、お爺さんのお名前は・・・

何ですか?」


「わしは大内浩太郎って言うんだよ。

2号館203号室に住んでいるよ」

「真理愛と同じアパート・・・」

「そうだよ、だから時々公園に来て


真理愛ちゃんの事見てたんだよ。

せっかく可愛いのに何故笑わないのかなって」


「怖いから・・・」

「怖い?何が怖いんだね?」

「真理愛、人が怖い・・・。


お母さんも、宏美叔母さんも・・・、

学校のみんなも・・・


真理愛の事、怒ったり、文句言ったり

するから、だから怖くて・・・

笑えない・・・」

「そうだったのか、それは可哀そうだな」

「仕方ない・・・、真理愛は悪い子だから・・・」


「悪い子?何故真理愛ちゃんが悪い子なんだね?」

「よくわからないけど・・・、悪い子だから


みんなに怒られたり、文句言われたりする・・・。

だから・・・、真理愛は生まれない方が

良かった・・・」


「そんな事はないよ、真理愛ちゃん・・・。

わしには真理愛ちゃんは

とても良い子に見えるよ」

「え?だって真理愛は幽霊だから・・・」


「そんな事ないよ。

真理愛ちゃんはとても良い子で

優しい子だよ。


だから、百花が真理愛ちゃんと

仲良くなりたいと思ったんだよ」


「え・・・」

「クーン」


犬百花は真理愛から離れなかった。

「犬はとても素直だからね。

真理愛ちゃんが良い子だと

知っているから、百花は

真理愛ちゃんと友達に


なりたがっているんだよ」

「私・・・、真理愛は・・・、良い子・・・」


「そうだよ真理愛ちゃん・・・。

真理愛ちゃんはとても良い子で

優しい子だよ」


「それじゃ・・・、大内のお爺さん・・・。

真理愛のところにもサンタさん来るかな?」

「サンタさん?」

「うん、もうすぐでクリスマスだから・・・。


サンタさんが来る・・・。

サンタさんは、良い子にプレゼントを渡すから。

でも、真理愛はサンタさんから


プレゼントを貰った事がない・・・。

真理愛は悪い子だから

サンタさんは真理愛に

プレゼントを渡さないと


思っていた・・・」

「そうか、サンタさんからプレゼント

貰った事ないのか・・・。


それは可哀そうだな・・・。

そうだ、真理愛ちゃん。


今、ここでサンタさんに

お願いしたらどうだね?」


「え?サンタさんにお願い?」

「そうだよ、サンタさんに真理愛ちゃんが

欲しがっているプレゼントをお願いするんだよ。


そしたら、きっとサンタさんは真理愛ちゃんに

プレゼントを渡すと思うよ」

「そうなんだ!やった~!

真理愛、サンタさんにお願いしてみる!」


真理愛は、早速サンタにお願いをした。


「サンタさん、お願いです。

どうか真理愛にもプレゼントを

ください。

真理愛、良い子にしますから・・・。


真理愛が欲しいのは・・・、トーマスです・・・。

雪だるまの縫いぐるみです。

どうかサンタさん、真理愛にトーマスを

ください。


大事にしますから・・・」

真理愛は、空を見上げて目を閉じた。

その姿を大内は見ていた。

(真理愛ちゃん・・・、良い子だ・・・

この子は本当に素直で良い子だ。

きっとサンタさんに真理愛ちゃんの

お願いは届くと思う・・・。


いや、必ず届くさ。

サンタさんは、真理愛ちゃんが良い子で

ある事をちゃんと知っているから・・・)



真理愛は、1時間以上も

大内と会話していた。


「あ、いけない!そろそろ帰らないと!

おばさんが家に来るから」

「そうか、それじゃ真理愛ちゃん・・・、またね」

「ワンワン!」


「うん!またね、大内のお爺ちゃん!百花!」

「ワンワンワン!」



真理愛は、急いで家に向かった。

すると、突然玄関が開いた。

「あ、宏美叔母さん・・・」

「全くこの子は、また道草していたの!?」

「ごめんなさい・・・、宏美叔母さん・・・」

「いつもの様にテーブルにお金


置いたから夕食食べてね」

「うん」


叔母の宏美は去った。


歩きながら叔母の宏美は

真理愛の事を不思議に思っていた。

(変ね、今日の真理愛は

いつもの真理愛とは少し違う・・・。

顔が柔らかいって言うか・・・

微笑んでいるっていうか・・・。


会話もハキハキしていたし・・・。

いつも暗いあの子が・・・。



まあ、別にいいか。

私の子ではないから。

姉さんの子なんだから。

それにしても姉さん、

自分の子くらい世話してよ!


母親なんだから!

いつも妹の私に任せて!

私だって忙しんだから!)




それから数日後。

真理愛は、母親玲子に連れられて

内科医院に訪れていた。

母親玲子が体調崩した為だった。

「全く、仕事忙しいのに

体調崩すなんて。

朝から頭が痛くて・・・」


「お母さん?大丈夫?」

「大丈夫じゃないから

病院に来ているでしょ」


「そうだね・・・」

玲子はイライラしていた。

「全く、いつまで待たせるのよ!

患者さんそれ程多くないのに

どうしてこんなに時間が

掛かる訳?

病院って何処もそうだけど」



しばらくすると、看護師が

玲子を呼んだ。



「横田さん、横田玲子さん。

内科室1番にお入りください」

「あ、はい」


玲子は立ち上がった。

「真理愛、いい子にしててね」

「うん、わかった・・・」


玲子は内科室1番に入った。


診察が終わると、

玲子と真理愛は小走りで

家に向かった。

「ああ~!もう~!

頭痛が治らない!

本当にこの薬効くのかしら!

その辺の薬局の薬の方が


意外と効いたりして」


玲子と真理愛は、トーマス通りを

歩いていた。

真理愛は歩きながら

周りの店を見ていた。


(そろそろクリスマスだから

いろんなところでイルミネーションを

準備している・・・。

いよいよだな・・・。


今年はきっとサンタさん

真理愛のところにも

やって来るかな・・・。


雪だるまの縫いぐるみ


トーマスを送ってくれるかな・・・。

楽しみだな・・・)



 

そのとき、真理愛はレストラン・春夏秋冬を

通りかかった。

ショーウィンドウには、大きなトーマスの

縫いぐるみが設置されていた。

(うわぁ!トーマスだ!)




 

 

真理愛はトーマスの見とれてしまい、

その場で転んだ。

「痛い!」

「ちょっと!真理愛!何しているの!」

「ごめん、お母さん」


「またよそ見して歩いていたんでしょ!?」

「うん・・・」

「全くこの子は!ほら!早く立ちなさい!」


「うん・・・」

真理愛は立ち上がり、歩き始めた。

そして、玲子の気付かれない様に

振り返り、トーマスに手を振った。



しばらく歩くと、次の鐘の音が聞こえた。


●教会の鐘の音●(効果音)

 

 




(あ、鐘の音?何処からかな?)

真理愛は周りを見渡した。

「ああ~!もう!うるさいわね!

この鐘の音!」


玲子はさらにイライラしていた。


「あ、教会がある・・・」

「え!?教会!?何処よ真奈美!」

「ほら、すぐ近くに」



玲子と真理愛のすぐそばに

教会が建っていた。


「こんなところに教会あったの!?

ロレント教会!?」



そのとき、教会から一人の中年男性が

出て来た。

「こちらはロレント教会でございます。

これから大聖堂でミサが開かれますので

どうぞお越しください」

「結構です!興味無いので!


行くわよ!真理愛!」

「うん・・・」


玲子は真理愛の手を引っ張った。


中年男性は唖然としていた。





「ねえ?お母さん?ミサって何?」

「いいのよ!そんなくだらない事

知らなくても!」

「うん・・・」



(先ほどの男の人、不思議な服を着ていた・・・。

とても優しそうな人だった・・・。


まるで、アパート住人の大内のお爺ちゃんみたい

だったなぁ・・・)




そのとき、教会内の大聖堂では

ミサが行われていた。

大聖堂には、30人くらいの

信者が集まっていた。


♪彼方の光♪Libera(効果音)

 





賛美歌が流れている間、

神父が神の言葉を告げた。


「主はきっとお許しになる・・・。

そして、主はきっと皆様を愛する・・・。

人を憎まず、人を愛せば、

きっと愛の力で苦しみは無くなる・・・


そして憎しみも無くなる・・・。

皆様は、身も心も全て

苦しみから解き放たれる・・・。

主を信じれば、愛を信じれば・・・。



では、主を信じるにはどうすればいいのか、

愛を信じるにはどうすればいいのか・・・。

本日のミサは、主について・・・、

そして愛について・・・

説いていきましょう・・・。


主イエスの元で・・・

聖母マリアの元で・・・」



神父であり教会長の

マーフィー・萩原が信者に向かって説いた。


(先ほど、外で会った親子・・・。

母親と娘の親子・・・。

娘さんの目がとても美しかった。

まるで聖母マリア様のように・・・。


まるで女神を見ている様だった。

あの子、名前はなんて言うのか・・・。

何処に住んでいるのか・・・。




また、教会に来てくれるだろうか・・・)



♪Ave Maria♪Libera(効果音)

 





大聖堂のいちばん後ろの席に

黒いパーカーを着た女性が

座っていた。

(お父様・・・、ごめんなさい・・・

まさか・・・、こんな事になって

しまうなんて・・・。

お父様が生きていたら

とてもショックを受けるでしょう・・・。


私の事嫌いになるでしょう。

私は・・・、世界一・・・

親不孝な・・・娘だから・・・

本当にごめんなさい・・・。

悪い娘で・・・。




そして・・・、良樹・・・

ごめんね・・・

私の事愛してくれたのに・・・


大事にしてくれたのに・・・

貴方の期待を裏切ってしまった・・・。

私、取り返しのつかない事を

してしまった・・・。



本当にごめんね・・・、良樹・・・

でも、今でも貴方の事・・・

愛している・・・)


 

 

 

 

 

Next time continue・・・
 

 

 

♪It's only Christmas♪Hayley&Ronan(小説サブ)

 

 





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