紀香編(第7章)最高のオモチャ(パンミレ) | ミレディ strange novel

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奇妙な小説を求めて・・・

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~パンドラプランナーのミレディです~
      
(パンミレ:榎本紀香編)

 

●小説詳細一覧●
https://ameblo.jp/milady20230910/entry-12815900767.html

 

 

Altern-ate-H-el-ical//(小説メイン曲)

 

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♪パンドラスマホの着信メロディ♪(効果音)

 



(あ、パンドラスマホが鳴っているわ?

ミレディさんからかしら?

それにしても不気味な


着信メロディだわ・・・)


紀香はスマホを取った。


「はい、もしもし?ミレディさんですか?」

「はい、そうです、紀香様。

パンドラプランナーのミレディです。

今日は、紀香様にご報告が


ありまして、電話させて

頂きました。


料金についてですが・・・

紀香様が現実の世界に

旅立つ前に、既に発生してた


料金は、456,500円になりますが、

別途、通信費も掛かります。


通信費が16,000円に

なりますので、


合計で、472,500円に

なります」

「え!?そんなに・・・」


「安心して下さい、紀香様。

紀香様にはパンドラタブレットが


あるじゃないですか。

パンドラタブレットに、紀香様が


欲しい物を入力すれば

それがすぐに手に入るんですよ」


「ああ、そうでしたね、ミレディさん」

「例えば、宝くじで500,000円が当たると

入力すれば、本当にその金額が


当たります。

一度試してみてください」

「わかりました、試してみます」


「料金は、パンドラポストという

赤いポストがありますので、

そちらでお支払いをお願いします」


「パンドラポスト? あ!あるわ・・・

いつの間に・・・」


紀香の部屋に、いつの間にか

赤いポストが出現していた。

 

 




「紀香様、パンドラポストは

支払い日が近づくと

勝手に出現します。


支払い後は自然に消えます」

「そうですか、わかりました」


「ところで紀香様?

理想の世界での復讐は

順調のようですね」


「はい、おかげさまで。

妹夏帆に復讐する事が

出来ました」


「それは良かったです。

これからも理想の世界で

楽しんでください」


「わかりました、ありがとうございます。

ミレディさん・・・」


紀香はスマホを切った。


紀香は、ミレディに言われたように

パンドラタブレットに欲しい金額を

入力した。





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(タブレット画面)


宝くじで、1,000,000円

当たる


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(ふふふ、私は欲張りだから

500.000円よりずっと


高い方がいいわ・・・。

これだけあれば、料金を簡単に

支払う事が出来るわ。


本当に、理想の世界って

最高だわ。

私はもう現実の世界には

帰れないみたいだけど、


例え現実の世界に帰れるとしても、

私は絶対に帰りたくないわ。

理想の世界の方がずっとマシよ・・・)





そして翌日・・・。

紀香は、パンドラスマホの

SNSパールの着信メロディ

によって起こされた。



♪SNSパールの着信メロディ♪(効果音)

 







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(SNSパールの画面)


宝くじ1,000,000円当選

おめでとうございます!

すぐに、紀香様の口座に

振り込まれます。

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(なんですって!?

本当に1,000,000円が当選

しているの!?


信じられない!

しかも私の口座に


振り込まれている!?)



紀香は、急いで最寄りの

銀行に向かった。


(嘘みたい・・・。

本当に1,000,000円が

振り込まれているわ・・・。


凄いわ、私の理想の世界・・・。

最高じゃない!)



「アハハハ!アハハハ!」

紀香は大声で笑った。


紀香は家に帰り、

早速パンドラポストに

料金472,500円を

支払った。


「料金472,500円

お支払い完了です。

ありがとうございます」




すると、パンドラポストは

自然に消えた。


(凄いわ、これじゃ働かなくても、

お金が手に入るじゃない。


良かったわ、理想の世界に来て。

ふふふ・・・)





「ピンポーン!」

そのとき、玄関のベルが鳴った。

(え?誰かしら?

もしかして秀子かしら?)



紀香はドアを開けた。

「夏帆!」

夏帆が玄関口に立っていた。

夏帆は黙ったまま

俯いていた。


「夏帆?何の用?

私のアパートに来たの

初めてじゃない?」



夏帆は泣きながら

黙っていた。


「夏帆?どうしたの?

何故私のアパートに来たの?

来ないって言ってなかった?」



「お姉ちゃ~ん!」

夏帆は突然号泣しながら

紀香を抱き締めた。

「ちょっと!何よ!夏帆!

放しなさいよ!」


「お姉ちゃん、私家を出て来ちゃった!」

「え?家を出た?なんで?」


「私、ピアノを辞めて音大も

退学したから、もう行き場所が

無くなっちゃった。


だから、お姉ちゃんのアパートに

来たの・・・」


「そう、あんたピアノ辞めたんだ。

そして音大も辞めた。


そりゃそうよね、コンクールで

あんな失態をしてしまったんだから」


「え?もしかしてお姉ちゃん

コンクール会場に居たの?」

「ええ、居たわよ、夏帆。


あんた、演奏中に手が震えて

その後演奏が出来なったんでしょ?

それで優勝が出来なくて、


ウィーン留学も出来なくなった。

そういう事でしょ?」


「うん・・・。

だから、ママから家から出て行くように


言われたの・・・。

新太の家に行こうとしたけど、

新太はウィーンに向かったし・・・」


「それじゃ、実家に帰ればいいんじゃない?

パパがいるでしょ?」


「いや、パパなんか大っ嫌い」

「あんたって本当に勝手よね。


あんたが音大に行けたのは

パパが学費を出したからでしょ?

それなのに、パパに感謝もないの?」


「だって・・・」

「いいから実家に帰りなさい。


パパと暮らせばいいでしょ。

私は、絶対にあんたなんかと


暮らしたくないわ。

私からピアノを奪い、

彼氏を奪ったあんたと


暮らすなんて絶対嫌よ」

 

 




「何よ!私だってお姉ちゃん


なんかと暮らしたくないわ!」

「そう、それじゃ何しに来たの?」


「それは・・・」

「消えなさい、夏帆、あんたの顔なんか

見たくないわ、それじゃ」


紀香はドアを閉めた。


夏帆は、ゆっくりと歩きながら

アパートから去った。


紀香は、窓から夏帆を見ていた。

(ふん、いい気味よね。

ピアノを失い、家も失い、

彼氏の新太まで失った。

きっと、新太は今頃ウィーンで


東野冬美ちゃんと仲良く

やっているわ。


新太もきっと夏帆の事なんて

忘れているでしょう。


ああ~、復讐ってなんて


面白いの。

復讐は一つの正義であり美学・・・。

本当に最高の言葉だわ・・・)







翌日、紀香は秀子と会っていた。

「秀子さん、夏帆を追い出したみたいね。

私のアパートに来ていたわ。

泣いていたわ・・・」


「ええ、そうよ、夏帆を追い出したわ」

「それは、夏帆が必要なくなったから?秀子さん」


「そうよ、夏帆の手の震えは止まらないし、

夏帆はピアノを見るだけで怖いと

言っている。


そんな子にピアニストが務まらないわ。

だから、夏帆を追い出したのよ。


今、夏帆は実家に帰っているわ。

きっと、あの人が夏帆の面倒を見るでしょう」


「パパの事ね、そうね、パパはとても優しいから・・・。

それで?秀子、貴方はピアニストを目指すの?」


「ええ、そうよ、再びピアニストを目指すわ」

「秀子さん、貴方って本当に勝手ね。

私や夏帆を散々利用しておいて、


利用価値が無くなったら

捨てるのね?テッシュみたいに・・・」


「そうよ、私はそういう人間なのよ」

「そんな最低な人がピアニストを目指し、

多くの人の感動を与えらえるの?」


「何とでも言えばいいわ、紀香・・・」


秀子は立ち上がり、店から出た。


(ふん、やっぱり秀子は生かして

おくわけにはいかないわ。

絶対にピアニストなんかにさせないわ。

オモチャを使って秀子を


あの世に葬り去ってあげるわ・・・。


まずは、そのオモチャを探さないと

いけないわ・・・。

秀子は、この世から葬り去る


オモチャを・・・)





そのとき、紀香がいる喫茶店から、

数十メートル離れたコンビニで・・・。



「ちょっと!私の鞄を返してよ!

このドロボー!」

「うるさい!大人しく鞄を

渡せばいいんだよ!」


若い男女が喧嘩していた。

男は女から鞄を奪い、

女は男の服を掴まえていた。

「てめぇ!いい加減服を放せよ!」

「嫌よ!絶対に鞄を渡さないわ!」



そのとき、男はポケットから

ナイフを取り出した。


「このアマ!死ね!」


男は女の胸をナイフで刺した。

「ギャ~~~!」

女の胸から大量の血が出た。

男はそのまま走り去った。

女はその場に倒れた。


「おい!人が倒れているぞ!

血が出ているぞ!」


人が集まって来た。

救急車だ!救急車を呼べ!」








紀香は家に帰り

 

テレビを見ていた。

「それでは次のニュースをお伝えします。

今日午後1時頃、コンビニ●●店付近で

ひったくり事件が起きました。


20代くらいの若い男性が、

女性から鞄を奪い、

さらに、ナイフで女性を刺し、


そのまま逃走した模様です。


近くに設置されていた


防犯カメラに寄りますと

犯人の男性は、


過去に数件の事件を

犯している指名手配犯、

関口一樹との事です。


警察は、関口一樹の

行方を追っています。



このニュースに関しましては、

新しい情報が入り次第、

お伝えします。


それでは、次は明日の天気予報です・・・」



紀香はテレビを消した。


(ふふふ、見つけたわ・・・。

秀子をこの世から葬り去る為の

オモチャが・・・。

関口一樹・・・、指名手配犯・・・。


過去に数多くの犯罪を犯している。

人も殺している・・・。



決まりね、関口一樹はオモチャに

ぴったりだわ・・・。

ふふふ、覚悟しなさい、榎本秀子・・・。


あんたは明日、関口一樹という

最高のオモチャに殺される宿命よ・・・。


これが、あんたへの復讐よ・・・。

3回目の復讐だわ・・・)



 

 

 

 

 

Parallel Hearts♪(挿入曲)

 

 

 

 

 

 

 

Next time continue・・・
 

 

 

 

♪disclose♪H-el-ical//(小説サブ曲)

 



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