ずっと好きだったんだ。

 

まるで恋愛小説の冒頭のような見出し。

ずっと好きで好きでたまらなかった。

 

それが・・

 

メキシコ料理

 

昔、アメリカに住んでいてメキシコ料理には馴染んでいた。

日本で言う中華料理みたいな位置づけ。

高校のカフェテリアでもあるくらい、しょっちゅう食べていた。

 

タコスとブリトーはハンバーガーとピザくらい私のアメリカ生活で主食だったと言っても過言ではない。

 

帰国してしばらくが経つ。

 

アメリカではそこかしこにあったメキシコ料理屋さんも日本ではなかなか見かけない。

 

たまに見かけたとしても、ちょっとこじゃれた高級感のあるメキシコ料理屋さん。

 

違う・・・!

私が食べたいのはあのトルティーヤからポロポロこぼれるような

”散らかして食べるような”あのメキシカンなんだ!

 

生のハラペーニョのあのむせかえるような辛さ。

あれなんだ・・!

 

ああ、メキシコ料理よ。ずっと、ずっと君を想い続けている。

でもなかなか出会えずいつの頃からかメキシコ料理に出会う事すらあきらめるようになった。

これを行動分析学的には「消去」という。

私とメキシコ料理の関係は「消去」されたんだ。

 

でもある日。

勉強会のために伺った先生のご主人がカフェを開いていて、新メニューに

「サルサ」を出すからミク、試食をしてくれないか?

という。

サルサ・・。なんて罪深い事を言うんだご主人、そして先生!
今まさに目の前で作りたてのフレッシュなサルサを一口食べたら私は消去されかけていたメキシコ料理への愛がまた再可燃・・自発的回復を起こしてしまった。

 

忘れかけていた恋人と再会したような気持ちだ。

 

私はまた10数年ぶりに寝ても覚めてもメキシコ料理を求めている。

これをABA的に言うなら。

遮断(EO)がありメキシコ料理という強化価値が強められ、それにより私のメキシコ料理を探し歩く行動が強化されてしまった。

 

しかも恐ろしい事に、前述したとおりメキシコ料理にありつけるのはごくまれだ。

たまに食べるからうまいんだラブ

 

 

これを変動比率スケジュール(VR)といい、行動分析家は最も眉間にしわを寄せるであろう事柄だ。

 

消去抵抗も大きい。

 

でももうどうでも良い。

ずっと離れていた君と再会できたんだ。

 

私は飽和化(AO)するまで求めるだろう。

 

そして私は行動分析家だ。

 

メキシコ料理への愛を飽和化させない方法を知っている・・ニヤリ

 

 

メキシコ料理。

ハラペーニョ。

ナチョス

チリコンカン

 

Te amo