下高井戸シネマに映画を見に行った。



そして父になる



監督・脚本・編集、是枝裕和さん


6年間育てた息子は他人の子だった という物語。




今回は重い、重い内容。

先日見た「もうひとりの息子 」 と状況は似ている。

それが、管理社会の日本で、戦争中ではないのに起こったという話。

泣いたわー。ほんとにもう。



変な話ですが、

わたしは自分の身の回りの物に執着します。

もし、お気に入りの物が他人の物とすり替わってたら

もう触るのも嫌になると思う。

人間と物を一緒にするな!って言葉はもっともで、そうだろうとは思う。

でも、物でさえそうなんだから人だったらどうなのよ、という気持ちで観ました。



やはり、「もうひとりの息子」同様、母は強い。

自分の子だろうと、他人の子だろうと、

守るべきものの側では、いつでも母なのだ。


そして、父はあれこれと悩み、憤る。

今回の父は、それぞれタイプが違ったけれど、

血のつながった子と接する態度で、「血」を感じている気がした。




で、結果として。

人と物は全然違うな、ということ。(それそうだ)

感情があるもんね、人は。


そして、観ていて強く感じたのは、結局は誰の子だろうと、関係無いなということ。

わたし自身、子供はそれほど好きでは無いけど、

友人の子であったり、いとこの子であったり、はたまたそこらへんにいる子であっても

守るべきものとして、位置していることは間違いない。

辛い思いはしてほしくない。悲しい思いもしてほしくない。



元気に、そして楽しく大きくなってね、子供たち。




そして父になるの1曲:息子/奥田民生

下高井戸シネマ、本日2本目。

最高の席ゲットできました。


いとしきエブリディ


ウィンターボトム監督 (ひかりのまち)


母と4人の子供たちと服役中の父の5年間を追った物語



この映画のすごいところは、実際に5年かけて撮ったということ。

キャストの4人の子供たちは、実際にも兄弟姉妹で、

自宅もだし、学校も子供たちが通っている場所で撮影されている。

もちろん刑務所も。(彼らの父親は服役していない)

だから実際に、季節が変わるたびに彼らは成長しています。

まるで、ドキュメンタリーのような気になってしまった。



毎日毎日、同じことのくりかえし。

変わらない毎日の中でも、子供たちは大きくなり

帰ってこない夫に、いらつきながらも妻は待ち続ける。

それを省略せず、きちんと切り取るのがさすがでした。

5年って、長いよなぁ。



お互いがお互いを支え合う。

日本人ってやっぱ足りてないんだな、会話とか、スキンシップとか。

かといって自分もやらないし、やれないんだけど。



それにしても。

次男坊がかっこよすぎた。

次女に放った「なついてるんだ」の一言にやられました。

くー、おしゃぶりっ子のくせに。ずきゅんだぜ。



さまざまな愛情に触れた1日でした。



いとしきエブリディの1曲:

The World Has Turned And Left Me Here/weezer


下高井戸シネマへ。



もうひとりの息子



ローレヌ・レヴィ 監督


出生時の取り違えをめぐる、母、息子、父達の物語。



つい最近も日本で、是枝裕和監督が取り違えについて映画化されました。

是枝監督は男性で、ローレヌ・レヴィ監督は女性。

この違いはとても大きく、内容にとても興味がありました。



もうひとりの息子 での最大の問題は

1家族はイスラエル、もう1家族はパレスチナに住んでいるということ。


ほとんど無宗教である日本で、戦争を知らずに生きてきたわたしにでも

それがどれだけの問題を含んでいるのか、いくらでも想像ができます。



映画の中で、父親たちの反応はとても嫌でした。

なんであんたはそうなの?!と何度思ったことか。

自分がその状況に立たされたとき、どうなるかわかりもしないのにだ。


それに引き替え、母親たちの覚悟は相当なもので、

誰も責めることなく、愛情と母性を総動員した言動が素晴らしかったです。


産んだ子供、育てた子供。

わたしは出産や育児の経験が無いので、まったくわからないけど、

わたしだったら、泣き崩れて運命を呪って人のせいにするだろうなと思いました。


だから、現実を受け止め、前に進んだ母親たちの強さが

とても心強かった。



そして、息子たち。

彼らは、あっという間に「被害者」から脱します。

それはきっと、変わらない母の愛と彼らの信念によるものなのだと感じました。



あーーー良い映画観た。




そして、この日2本目へと続く・・



もうひとりの息子 の1曲:Lightning/UA

UPLINKへ。


なにもこわいことはない



愛おしくて美しくて楽しくて美味しくて。

歯がゆくて切なくて辛くて惨たらしくて。

キュンキュンしてイライラして釈然としなくて納得した。


生きていくことは、残酷だけどやめられない。

たとえ、希望と現実の差は埋まらなくても。



この映画は、UPLINKで観て本当に良かった。

まるで、リビングで観ているかのようなUPLINK。

今回は良い椅子が取れました。

なんだか通っちゃう感じになってきたので、会員になろうかな。




今日の1曲:寓話。/Cocco

下高井戸シネマへ。


わたしはロランス


グザヴィエ・ドラン 監督


女になりたい彼、とその彼女の物語。



ロランスの希望とフレッドの希望。

ロランスの主張に、同感したのも事実だし

フレッドの決断に、ほっとしたのも事実。



ある場面でのフレッドのセリフに号泣。

すさまじい葛藤の中で、あの言葉が出るのがすごい。

答えも正解も無いんだな、って思いました。



途中、一瞬だけ移ったグザヴィエ・ドランにニヤっとしたわたしは

完全にやられているということ。

次回作、早く観たい。



今日の1曲:なし