CER (CAMBRIDGE English Readers)level-5
YL 5.5-6.0
22502 words
オススメ ★★★★★買って読むべし


Nat Marleyシリーズ五冊目
執筆された順だとこの本が第一作目にあたります


クリスマスの6日前、いつものように仕事の後行き付けのMcFadden's Barで夕食をとるNat
そこへゴージャスな身なりの美女が入ってきて、遠くからさりげなくNatの注意を引くような行動をとり始める
美女はバッグから手紙を取り出し一読し、顔色を変えて店を出て行った

わざとやっているのがわかっていても、面白そうなのでNatは後をつけて行くが途中で見失う

翌朝、昨夜の女性がNatの事務所を訪れ、ソフトウェア会社の社長夫人のAngelaと名乗りやっかいな仕事を持ち掛けてきた


このAngelaという人は最初からNatを嵌めようとして接近してくるんですが、見事に罠に嵌まったNatは捕まり、警察をやめてから10年ぶりにOldenbarg警部と再会しています

Natは社長夫人の宝石を盗んだとして捕まり、弁護士に
「Oldenbarg警部ってどんな人?」と聞かれ、
「俺のジョークに一度も笑ったことがない奴だった」と答えてます
そこは重要なことなのか…?

Natに罠を仕掛けたソフトウェア会社の社長夫妻はチャイニーズマフィアに踊らされていて、Natは自分自身を守る為に次々と戦ってます

暑い寒いといつも文句を言っていても、面倒なことに巻き込まれていなければまだマシだと思いました
派手な事件がなくても、人探しだけで面白いストーリーになっている珍しいシリーズです


このケンブリッジのシリーズではレベルが上がっていくと文章の量が増えて、登場人物の人柄や状況がわかりやすくなっていきます

例えばOldenbarg警部の場合は…
事務所に掛かってきた電話をStellaがとるけれど、次の瞬間、受話器を耳から離して腕の長さに遠ざけたりしてます
受話器からは勝手に大声で喋り続けるOldenbarg警部の声が聞こえてるとか


Natが人に聞き込みをする時は、顔写真入りの私立探偵のライセンスカードを見せているけれど、グレーだったりダークな仕事をしてる現場にも行ってるので、
「おっと、これ以上は話すわけにはいかねぇな」とか断られたりしています

そんな時、Natはどうするか?
「そう言わずもっと聞かせて下さいよ」なんて頼んだりしません
何も言わずにクルンとライセンスカードのケースを裏返すだけ
ケースの裏には畳んだ20ドル札がバーンと(笑)
日本円で二千円チョイのお金に目が吸い寄せられて
「あ、今思い出した、そう言えばあの日は…」とか続きを喋り出してくれるので、穏便に情報収集ができるようになってます