OBW (Oxford Bookworms) level-6
YL 5.5-6.0
26560 words
オススメ ★★★★★
著者:Charles Dickens


「文豪」「古典」「名作」と聞くだけでウゲェ~って思ってたのは内緒

面白かった!やっぱり名作と呼ばれるのはその理由と価値があるからなんだ
「いつか原書にチャレンジリスト」に入れておきます

1830年代のロンドン
道で行き倒れになった女性がworkhouseで男の子を産み、その後すぐに亡くなった
(workhouse…寝床と食事を提供してもらえる。対価は労働で支払う施設)

男の子は施設に収容され、リストからOliver Twistと名付けられた
最低限の食事と教育をされた後、10才になると働くように言われてworkhouseに戻された

初めての職場は棺桶を作る店
誰かが亡くなるとその家まで行き遺体のサイズをはかり、翌日棺桶を持って行き遺体を教会まで運ぶのが仕事
顔色が悪くいつも悲しそうな表情で、決して笑わないOliverにはぴったりの仕事だった

店で出されるのは粗末な食事、寝場所は作りかけの棺桶と棺桶の隙間
あまりの辛さに逃げ出すOliver

ポケットにはたったの1penny
道で倒れて死にかけたところを同年代の少年Dodgerに助けてもらう

Dodgerに連れて行かれた場所では、子供達がFaginという男を中心に集団生活をしていた

やがてOliverは「親切なおじさん」だと思っていたFaginが、子供達にスリや窃盗の英才教育をする、強盗団の親玉だと知る


ラストでOliverは幸せになりますから、安心して読んで下さい!

ヒョロヒョロで虚弱、でも心根のきれいな男の子が悪に染まらないように応援したくなります

最初に収容された施設では、一度も洗ったことのない食器に毎回毎回スープを注ぐって所を読んで、想像しただけでお腹が痛くなりそうでした
みんなが上手にスプーンですくって食べるからきれいになってる→積み重ねる→前回誰が使ったのかわからない食器でスープを飲む→無限ループ


この世に子供が産まれてくるには必ず父と母がいるわけで、Oliverの父と母が誰なのかを探るところも面白かったです


孤児の名付けリストってのは『あしながおじさん』でも読んだことがあります

姓と名のそれぞれがアルファベット順になったリストから順番に付けていくみたいですね

現代の日本だったら、少なくとも誰も読めないようなキラキラした変な名前は付けられないから安心かもしれない
古くさ~い名前だとしても。