CER (Cambridge English Readers) level-5
YL 5.5-6.0
22822 words
オススメ ★★★★★ 買って読むべし


シュガーグライダーとはフクロモモンガのことで、この本に登場するのはそこから名前をつけた小型機(Douglas DC4)です

この本は表紙がそのシュガーグライダーの写真です

「アメリカで作られ、第二次大戦の時はアメリカ兵達を乗せ、戦後はある会社が買い取った。
その会社は南アメリカからコーヒーを運搬するのに使用した。
その後あるアジアの国に行き、そこでは大統領のプライベート機として使われた。
その国では戦争があり負けたので、オーストラリア人のパイロットが大統領の身の安全のために大統領を乗せてオーストラリアに渡った。
大統領はパイロットに感謝し、彼にこの小型機を譲った。
パイロットは会社を興し、オーストラリア中を荷物を乗せて飛びまわった。
しかしもうだいぶ古びてしまったので、彼はこのシュガーグライダーをメルボルンの航空博物館に売った。
だから今回博物館まで飛ぶのが last trip なんだよ。」


第三章でパイロットのDonが、中学生の娘Judyにそう話しました

でも第一章の前にプロローグがあって、Donと一緒に飛ぶ予定のパイロットPaulが、「政府の人間」を名乗る人物から巨額の報酬で怪しい仕事を請け負ってます。

メルボルンの博物館に行く前にちょっと寄り道して某鉱山へ行き、ある物を受け取って欲しい。絶対に誰にも言わないこと。

Paulがこんな怪しい仕事を引き受けたのは、自分の夢の為でもあり、Donのことを考えたから。
Paulはもうじき仕事を引退して、パイロット養成スクールを作ろうと思っている。そのための自分の飛行機はもう購入済み


Donは一年前に離婚して遠くで働いているけれど、ここオーストラリアで二人でスクールをやれば、別れた妻も娘Judyを連れてDonのもとに戻ってくるだろう。なによりもDonが離婚したことを後悔していて、二人でスクールをやることを喜んでいる
でもまだちょっと資金が足りない……


怪しい仕事は引き受けるものじゃないですね

この本のジャンルはアドベンチャーです

冒険するはめになったのは娘のJudyです。ちょっと寄り道した先でシュガーグライダーに細工をされ、山の中の谷底に墜落し機体は木っ端微塵になってしまいます。

冒険の途中でJudyが、「行けども行けどもこの国はなんて広いんだろう。最初にヨーロッパから渡って来た人達が、みんな海沿いに都市を作った理由がわかる気がする」と言ってました