みなさん、
おはようございます。
【朝の道標】を見に来ていただき、
ありがとうございます。
今日も夏休み特別企画、
「学校教育の闇」をお届けします。
昨日に続き、
【見え始める第三の学校】について、
お話を進めていきます。
今日は「人材不足を補う分業化と委託業者」です。
人材不足については、
「教員不足のスパイラル」として、
2回目~4回目で少しお話しました。
その原因として、
「ブラック企業」という西洋の職業観からくる、
負のイメージが定着しつつあり、
本来の無償の愛を尽くす徳高い職業という、
日本人が持っていたイメージへ、
塗り替えていかなければならないと書きました。
しかしイメージの改善は、
実績を積み重ねることで実現することができ、
即効性があるとは言えません。
そこで即効性のある方策を考えてみました。
それが「分業化」と「委託業者」です。
「分業化」とは、
今ある繁雑な業務を切り分け、
担当する業務を限定して範囲を絞るというものです。
例えば、
同じ学年ばかりを担任するよう限定した「学年固定制」。
国語や算数など教科を限定する「教科担任制」。
担任業務に特化し教科教育から切り離した「担任専属制」。
このような方法をとることで、
教員の専門性を高めることができ、
また負担感を減らすことができます。
しかし内部組織の変革は、
待遇面などの調整が必要となり、
今すぐに行うことは難しいでしょう。
一方「委託業者」とは、
今では学校の先生の仕事内容が多岐にわたるため、
その一部を外部の方に支援していただく方法です。
例えば、
すでにもう中学校で始まっている、
地域の方に指導をお願いしている「クラブ活動」をはじめ、
「体育科」のうち施設管理が難しい「水泳」を、
スポーツクラブで実施すること。
専門分野で特別な技術が必要な「音楽」や「図工」を、
部外講師に担当していただくこと。
などなど、
外部の力を借りることで、
現状必要とする教員の枠を狭めることができ、
一時的に人材不足という状況を回避することができます。
実際に英語の授業では、
一部、ALTとして部外講師を招き、
多かれ少なかれ外国語教育の質を高めようとしていますよね。
でもこの方法は一時的な方法で、
長期的にこの方法をとってしまうと、
内部で教員を育てる機会を失い、
教員の質を維持できなくなってしまいます。
そのため、
長期的には「ブラックから徳高いへイメージ改の善」を行い、
中期的に「分業化」で業務の負担感を減らし、
一時的に「委託業務」で下がった教員の質を補うという、
方策をとるのがいいと思います。
ただし何度も言いますが、
「業務委託」は一時的です。
この方法が長く行われると、
委託する業務の範囲が拡大し、
学校の主要業務である「教科学習」を塾に、
「生活指導」を家庭教師に渡してしまうことになるでしょう。
そうなれば、
今ある学校の存在価値は損なわれ、
「第三の学校」が生まれることになるでしょう。
そのためにも、
今できる即効性のある対策と、
根底から変えなければならないことを切り分けて、
対処していかなければならないのです。
ぼくは今の学校には、
思い切って「分業化」と「委託業務」を進める、
勇気ある決断が必要だと思っています。
たとえ「第三の学校」が生まれることになってもです。
それがより良い教育を追究した結果であるなら、
学校教育の進化と捉えるべきでしょう。
そしてこの転換期に何を選択するかは、
今を生きるぼくたちに委ねられているのです。
さあ、今日も新しい一日のスタートです。
元気に、行ってらっしゃい!