みなさま、こんばんわ🌜

大阪は残暑の厳しい日々が続いていますが、いかがお過ごしですか❓

 
1 PTMF模索研究読書会

本日は夜8時から PTMF模索研究読書会(第5回)の日でした。

 

画像は読書会指定の『精神科診断に代わるアプローチ PTMF』の本です。

 

PTMFとは以下のような意味です👇👇👇

PTMFとは

精神科診断に代わって、心理的苦悩をとらえるパワー(Power)・脅威(Threat)・意味(Meaning)のフレームワーク(PTMF)です。

 

PTMFは、イギリス心理学会臨床心理学部門の資金提供によるプロジェクトの成果として、心理士と当事者の協働により生まれました。

 

心理的・感情的苦悩を、医学的な診断によらず、ナラティヴやストーリーとして読み取っていくためのツールです。

参考 PR TIMES

当読書会は 日本臨床心理学会 が主催している学習会です。

どなたでも参加可能です(学会員でなくても、研究者でなくても)。

 

読書会のご参加は、こちらのメールアドレスまでお気軽にご連絡ください👇👇👇

MAIL openspace.nrs@gmail.com
2 読書会の様子

読書会はこのような様子でした👆👆👆

 

この時点で18名の方が参加されていました。

 

訳者の 石原孝二さん もご参加されていました✨

 

前回に引き続き、石原さんにお会いできた本日の読書会の参加者はラッキーですね😄✨

3 5章のまとめ

まず初めに「5章のまとめ」についての説明がありました。

 

簡潔にまとめてくださっていて、すごくわかりやすかったです😃

4 グループワーク

次に、3つの小グループに分かれて意見交換を行いました。

 

前回「法律のグループ」に参加させていただいたものの、話し合いの内容が全然わからなかったので、今度は別のグループにしました😅

 

今日参加した小グループのテーマは「身体(Bio)」でした。

 

グループワークでは様々な意見が出ました。

 

本の71ページに「何か一つの逆境を経験することはまた、他の逆境を経験する可能性を高めます。」とありましたが、その通りだと思います。

難病や身体障害の場合、例えば「痛みがある」というだけで負の連鎖反応が起こり、痛みのために生活全体や人生そのものが全滅していくことがあります。

実希

実希

 
メガネの男性

参加者

実希さんのお話の現象について「臓器脆弱性」という言葉を聞いたことがあります。
私は貧困のために塾に通えない子どものための学習ボランティアをしているのですが、貧困家庭って虫歯が多いんですよ。
今度、歯科検診が国民皆保険になるようなので、そこから貧困がわかるようになるかもしれません

 
スーツの男性

参加者

精神医学を脅威に読み替えていくのがこの本のテーマかなと思っています。
実はその人の問題じゃなくて、社会の問題に読み替えていくことが重要なのかなと思いました。

 
メガネの男性

参加者

昔は成人病と呼ばれていたものが、今は生活習慣病という名称になりました。
実際は環境要因や対人要因など色々なストレスがあったにも関わらず、「あなた個人が悪かったから、ガンになったんですよ。」と言われるようになりました。
こういった考え方は、自身の努力と内的リソースで満たすことができるという考え方を助長していると思います。

 
ボブカットの女性

参加者

Zoomで聴覚障害を持っている方と会話する機会がありました。

初めて自分以外が聴覚障害の方で、発言とかにも普段よりも気を使ったりとか、健常者ってこの方たちに言ってもいいのかなと思ったり。
その時、風邪気味でいつもより声が出しにくかったんですけど、相手は聴覚障害だから、うまくコミュニケーションが取りづらかったりすることもありました。
完全に聞こえないわけではないから、聴覚障害と気づいてもらえないなどの問題を抱えておられました。

 
ネクタイの男性

参加者

成人病と自己責任という問題をおっしゃられていたと思いますが、厚生労働省は実は統合失調症も生活習慣病だという言い方をしてたんですが、それはあまりにもひどいから取り下げたんですけど。
統合失調症も国は自己責任にしようとしています。
アメリカの ケネディ教書 で精神病院を閉鎖して、地域に移行していったんですが、病院の閉鎖はホームレスにつながるとされていますが、実はそうではなくて。
『コミュニティメンタルヘルス―新しい地域精神保健活動の理論と実際』という本の中で、モシャーも言っていたんですが、ホームレスという過酷な生活体験が精神疾患を生み出していたと書かれていました。

メンタルヘルスは環境要因であって、生活習慣病ではないんですよね。

 

最後の方の意見を聞いたとき、なぜだか「ハッ😯」として、この方の発言以外の全てのことが頭から吹き飛びました。

5 ケネディ教書
 

アメリカで1963年に、当時の米国大統領によって 精神病及び精神薄弱に関する大統領教書 が発表されました。

 

いわゆる有名な ケネディ教書 です。

 

ケネディ教書の発表により、精神障害者のための積極的な福祉施策がとられるようになりました。

 

精神病院を閉鎖し、脱施設化と地域精神保健活動が展開されることとなりましたが、地域の受け皿づくりが不十分だったこともあり、精神病院を退院した多くの精神障害者がホームレスとなってしまいました。

 

このことから、ケネディ教書は 精神病院存続の強力なエビデンス となっています。

 

しかし、グループワークで聞いた意見は、私が事実と考えていたこととは異なりました。

 

精神病院を閉鎖したから精神障害者がホームレスになったのではなく、ホームレスという過酷な現実が精神障害を作り出すのだ、と。

 

私は興奮して、思わず大きな声で叫んでしまいました。

 

さきほどのお話はどういうことですか❓❗

ホームレスになったことが精神障害を生み出すって❗

十分な地域資源を用意せずに突然精神病院を閉鎖したために、ホームレスが急増したんじゃないんですか❓❗

実希

実希

 

客観的には、興奮して錯乱し、大声で叫び声をあげている精神障害者そのもののように見えたと思います。

 

参加者の方は、私に Zoom のチャットで『コミュニティメンタルヘルス―新しい地域精神保健活動の理論と実際』の本の資料のデータファイルを送ってくださいました。

6 コミュニティメンタルヘルス―新しい地域精神保健活動の理論と実際

『コミュニティメンタルヘルス―新しい地域精神保健活動の理論と実際』という本は、日本では1992年に出版されています。

 

出版されたのはおよそ30年前のことです。

 

この本を書かれた作者のうちの1人は、ロレン・R・モシャー(Loren Richard Mosher)先生 というアメリカの精神科医の先生です。

 

モシャー先生はソテリア(Soteria Associates)を設立されたことでも有名です。 

 

本の冒頭に、モシャー先生の言葉が書かれてあります。

 
Loren R. Mosher

Mosher

We believe that maddness is taken respectfully and seriously it is all too understandable.

私たちは、狂気を尊敬と真剣さをもって取り扱おうとすれば、狂気はすべて了解可能であると信じる。

 

結局は、モシャー先生が書かれたことが全てだと思いました。

 

また、モシャー先生はこう書かれています。

 
Loren R. Mosher

Mosher

狂気を了解不能だと拒否する時代精神が支配するのは、私たち自身の中にある狂気と向き合おうとしない人間本来の性質と、それがもたらした文化を反映しているためである。

狂者を病院に拘禁し地域社会から排除しようとする私たちの欲求は、”見ざる・聞かざる・忘れてしまう” 態度に具体的に現れている。

私たちは自分の内なる狂気を自覚したくないのである(We don't want to understand our own maddness.)。

 

精神障害者のスティグマを押されると、その人は社会から周縁化され、見えなくなってしまいます。

つまり、精神疾患を発症することで、最初からいなかったことになってしまうのです。

 

生産性という観点から考えた場合、精神障害者の生産性は一般的に高いとは考えられていません。

社会からしてみれば、存在されると都合の悪い人だと考えられているのかもしれません。

 

しかし、「要らない」からという理由で、社会から排除してしまうことは良いことだとは思えません。

精神障害があっても、かけがえのない1人の人間である以上、本人の意思に反して、安易に尊厳を奪われ、社会から排除されるべきではないからです。

 

30年以上前のアメリカで、私と同じことを考え、研究し、論文を書かれた方がおられたのです。

 

この本はカウンセリング・アプリ開発の道しるべとなる。

この本を絶対に読まないといけない。

と思いました。

 

強烈な感銘を受けながら、PTMFの第5回の読書会はお開きとなりました。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました😄

また来てね~😄👋