2017年に「ふぃまの風~島のキロクとキオク~来間島の話」というブログで書かせた貰った内容ですが、
https://kurimajimadaigaku.ti-da.net/c405788.html
改めて、編集してこちらでご紹介をさせていただきます。
2017年 語り手 千代おばあ
昔は、ミキ(神酒)は米ではなく、粟で作っていたそうです。
粟は、赤粟と青粟と呼ばれる2種類があり、赤粟は粘りがあり、
普通に炊いたり、おかゆにして食べていたそうです。
また、青粟はジューシーにして食べていたそうです。
赤粟を天日で干してから、ヒキウスと呼ばれる道具で引いて殻を飛ばします。
写真がそのヒキウスです。
両側から紐を交互に引いて使うようです。
ヒキウスを持っている人は島内には2、3件しかなく、
千代さんはいつもガーラヤーというお宅で借りていたそうです。
(写真も恐らくガーラヤーかと思われます。後ろにガジュマルらしきものが見えているので。
あと、写真も千代さんご本人ではないかと想像します。
ご本人は、「分からんさあ」と言っていますが)
自分が臼を引くときには、そこの叔母さんがいつも手伝ってくれたとお話しくださいました。
ヒキウスで引いた後は、杵でついてさらに皮を取ります。
それから、水に浸して洗ってごみを取り除いたら、石臼で引くとドロドロになります。
それを鍋で炊いたら、子供たちを集めて来るそうです。
子どもたちに歯を磨かせたら、粟を口にふくませ、くちゅくちゅと噛んだ後にぺっと吐き出します。
そうして溜めたものは、置いておくだけで自然と発酵したようです。
「どうして子どもにやらすわけ?」
と聞くと、
「さあ、大人は汚いからじゃない?アッハッハッハ~」
と大笑いする千代さんでした。
「君の名は。」という映画のワンシーンで、
主人公の高校生が口噛み酒を造るシーンがあり、
それで一気に認知度があがったわけですが、
また、この映画からのイメージなのか、
女性だけ、とか、
巫女が行っていた、
とかいう話もあり、
その神秘性が注目されている感もありますが、
実際はもっとわいわいと楽しくやっていたようです。
こちらは、石垣島の白保の口噛み酒の話。
どうも男の子もやっていたそうです。
https://ameblo.jp/mikimikimiki-2020/entry-12590000597.html
こちらは大神島の口噛み酒話。
https://ameblo.jp/mikimikimiki-2020/entry-12589841273.html