Backstageからこんにちは。
ピアニストの山本実樹子です。
ピアノコンクール審査員としての一日を過ごしました。
小学1・2年生の88名175曲の演奏を、一音一音、耳で、心で聴き続けた一日。
長丁場のはずなのに、
不思議なことに時間はあっという間でした。
私自身が舞台で指を動かすときとは違う距離で、
一つひとつの音を追いながら、
聴くという行為の豊かさを改めて感じました。
演奏者本人だけでなく、
保護者の方々、審査員、そして会場の空気全体が、
その日そこにいた「ひとつの音楽の場」でした。
審査をするという立場には、
「評価する」という静かな責任があります。
でも今日心に残ったのは、
単に点数を付けることでも、
順位をつけることでもなく、
ひとりひとりが自分の音に真摯に向き合っているという事実そのもの
でした。
ある演奏には、まだ幼い身体の震えがあって、
ある演奏には、内面から湧き上がる色彩のようなものがあって、
どの音にも、それぞれの世界が宿っていました。
初めて聴く小さな演奏家の指先から、
その人の歴史や、その日の朝の空気、
目に見えない緊張と喜びまでを
“聴く”という行為を通して感じていく――
そのプロセスは、演奏とはまた違う、
深い感覚の旅でした。
今日を終えて、
音楽とは、
「奏でる」ことだけではないという実感が、
胸の奥でふっと膨らみました。
耳を澄ませるということは、
目に見えない景色を味わうことでもあり、
言葉にできないものを抱きしめることでもある。
そんな一日でした。
どんな音にも、それを生み出した人の物語があります。
そして、音を聴くということは、
その人の人生の一瞬を感じることでもある――
そんな気持ちで、今日の音を胸にしまいます。
🌱聴くということは、
ただ音を受け取るだけではありません。
音の余韻や、その背景にある時間とともに
心の深さを育てる行為でもあります。
もし、
音との関係をもっと自由に、
もっと深く感じたいときには――
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