息子が初めて立ちあがった日のことを覚えている。
ハイハイの姿勢から
床に着いた手を少しずつ離していく。
恐る恐る。
できるかな、できるかな
あ、いけそう
いけるぞ
もうすぐだ
へへへ~
そんな表情をして遂に自分の足で立ち上がった。
満面の笑み。
初めて立ちあがった日のことなんて
覚えちゃいないだろう。
でも、新しいことにチャレンジするときは、
夢や期待を胸に抱いている。
どうか、この世界から希望の灯が消えませんように。
――― 遠く離れた息子たちから、花が届いた母の日に ―――