留学の目的である、アメリカの移植医療について、
経験した事や学んだ事を少しずつ書き留めていこうと思います。
私は運よく、アメリカでもいちにの腹部臓器移植数を誇る、UCSF(University of California San Francisco)に受け入れていただき、Medical centerや関連施設での研修を受けています。
移植を受ける側、そして臓器提供の携わる側、双方の勉強をさせていただける事になっており、本当に恵まれています。
かなりたくさん書きたいことがあるので、長くなってしまうと思いますが、1つずつできるだけわかりやすく書ければと思います。
さて、最初は「移植登録evaluation外来」について。
私は腎臓と膵臓の移植コーディネーターの経験しかないので、他の臓器のことはわからないため、今回は腎臓のevaluation外来の見学を組んでくださいました。
臓器移植を希望する患者さんは、まず臓器移植待機登録をしなければいけません。
ここまでは日本と一緒。
でも、アメリカでは希望すれば誰でも移植待機登録できるわけではありません。
「ソーシャルワーカー」、「移植腎臓内科医」、そして「移植登録コーディネーター(アメリカではコーディネーターとしか呼び名がないけれど、同じコーディネーターでも他に仕事内容が別れているので、ここではこう呼ぶ事にします)」の3人それぞれと面接をし、面接結果や検査結果を鑑みて登録できるかできないかが決まります。
しかも、この外来で身体的に問題がありそう、精神的に移植をするとまずいのではないか、移植をすれば社会復帰ができそうか、また家族や親しい友人など支えになってくれる人がいるかどうかを判断され、もし何かしら問題がありそうだとなれば、登録する移植病院のselection meetingにかけられるという仕組み。
selection meetingでは、身体的な問題は色々な検査を追加したり、他の科の医師に相談したりと解決できることが多いのですが(あとはダイエットしてからとか)、精神的問題や社会的問題は中々解決するのが難しく、移植の登録の許可が降りないこともあります。
つまり、身体面・社会面・精神面全てにおいてevaluation(評価)をする外来が、このevaluation外来というわけです。
また、日本と大きく違う点は、たとえ生体ドナー候補がいても、70歳以下の人は例外なく登録をしていなければいけないというもの。
日本よりはるかに臓器提供数が多いアメリカでは、もし生体移植をする前に献腎移植が当たれば、無駄に生体ドナーが傷つかずにすみますものね。
逆に、70歳以上の人で生体ドナー候補がいる人は、年齢的にみて、献腎移植を待つよりも、生体移植の方が現実的なので、登録はしなくていい事になっているそうです。
腎不全患者さんには、ポンポン移植をしているというイメージがあったので、この事実には正直驚きました。
きちんとレシピエント(臓器を移植してもらう人)になっても大丈夫かどうかを、色々な側面から様々な人が審議して、移植ができるようになっています。
いざ移植となった時に、医療者も患者さんも、「こんなはずじゃなかった」とならないようにするためにも、とても大切な外来だと感じました。
すでにこんなに長くなってしまったので、次に分けて書こうと思います。
次は、具体的にコーディネーターがevaluation外来でどんな事に注意して面接しているか、そして外来前後での仕事内容などを書きたいと思います。
