カズオ・イシグロの長編小説「クララとお日さま」
を読みました
※ネタバレ注意
AI搭載ロボットのクララが病弱な少女ジョジーに
出会い、なんとか病気を治そうと奮闘するお話
クララは太陽光で動くロボットなので
太陽を神聖視していて
ジョジーを治すために特別な太陽の光を求める姿が
とても健気
一方、ジョジーの病気の原因が能力向上のための
人工的措置の副作用だったり
その措置をした子してない子で格差があったりしてチラチラ社会の闇が見えるところが
何ともゾッとします
特にジョジーの母親がジョジーの姉のサリーを
「向上処置」の副作用で亡くして
精神的に病んでいてクララをジョジーの死後
ジョジーのコピーにしようとする場面は
ホラーです😭
今はコロナがあるから子供がいる人は
ワクチン注射させるさせないで葛藤して
ジョジーの母親や
リック(ジョジーの幼馴染、向上処置をしていない)の
母親みたいな気持ちに
なったかもしれないな😕と考えさせられもしました
最後ジョジーとリックが別々の道を歩んでいくところも
またリアル
お互い想い合い傷つけたりする中で
真実の愛が見つかっても一瞬の輝きだったわけですね
でもその時は嘘ではない
コーヒーカップのご婦人とレインコートのご老人みたいにまたどこかで再会するかも
とクララが納得する場面は作中で1番優しい気持ちにさせられました
親たちも病弱なジョジーを巡って迷走しましたが
それも愛故
群像劇の中にいっぱいに散りばめられた
人々の「必死さ」「純粋さ」が
この作品に詩的な美しさを持たせているんだなと
感じました