こんにちは。お久しぶりです☆
今日は先日読んだとても面白い小説のお話です。
 
3年前に出たときから気になっていたのですが、75万部も売れる
ベストセラーになっていたのですね。
今度映画も公開されます。
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先に映画の予告を見ました。
好きな女優さん蒼井優ちゃんの映画を見たときです。
肝心の映画は「う~ん」という感じで、優ちゃんの演技力や
よさが生かされてない、テレビドラマクオリティーの残念!なものだったのですが
こちらの「阪急電車」の予告が見られたので許そうという感じです。
 
中谷美紀さんや戸田絵梨香さんなど若手実力派が顔を揃えているし
せりふの関西弁もナチュラルでした。
それと宮本信子さんのきれいなこと。こういうしゃんと背筋の伸びた
上品なご婦人って本当にいるなあと思えるリアリティーを感じます。
 
原作の小説も読み易そうだったので、さっそく買いました。
兵庫県に実在する西宮北口から宝塚を結ぶ電車の路線を舞台にした
お話。
以下ネタバレ有りです。
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隣に座った女性は、良く行く図書館で見かけるあの人だった・・・・・。
片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差しやがて希望の物語がつむがれる。故意の始まり、別れの兆し、途中下車ー人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。ほっこり胸キュンの傑作長編小説。(裏表紙の解説)
 
原作者有川浩さん。名前を見て男性だと思っていましたが、女性です。
女の人の心理の描き方がさすがに上手で、同性から見て「そうそう」とうなずけること
が多いです。
 
女性の美しさも優しさも狡さも全部つつみかくさず書いているのに、決していやらしくならず読後は爽やかです。
 
あまりにさくさく読めて「ライトノベル」とひとくくりにされそうな話ですが、
ちゃんとしたバックボーンはあると思います。
舞台になったこの阪急沿線の文化、生活感覚が本当にしっかり観察され描かれているのです。
 
「若い人や子供に媚びない文化」
と言ったらよいかもしれません。
 
宮本さんの演じる老婦人はかならず孫娘と一緒に登場するのですが
絶対小さな女の子だからといって甘やかさない。
一人ぐらしで子供世代に依存せず生きているけど、孫の世話はまめ。
でも飼い犬と仲良しな孫にこう言い切る。
「ダメ、この犬はおじいちゃんと私の犬なのよ。」
 
「おばあちゃんのいじわる!」とすねる孫には絶対屈しません。
 
意地悪ばあさん?
いえいえこういう人だからDV男に振り回されるエリカちゃんに「下らない男ね」
と声を掛けられるのです。
 
私は通学や通勤にこの電車を利用していたというだけで、
ずばりの地元というわけではありませんが、なんだかこういう奥さん
乗ってらっしゃるなあと思います。
 
いわゆる「マダム」タイプではないけど品があっておしゃれで素敵な女性。
憧れます。
 
映画ではカットされるかもですが、電車の中の女子中学生に小言を言う
おじさんもいいなあと思います。今の世の中では「ありえない、他所の子供に
そんなに厳しくするなんて」と思われるかな。「うわ、関西弁ってこわっ」とか。。。
微妙ですかね。でもその厳しい言葉の奥の愛情はきっちり伝わっているんですよね。
これこそ「ファンタジー」と言われてしまうのかもしれないけど。
 
もうひとつすばらしいモチーフがあるけど
こちらは小説でも映画でも「キー」になるので止めておきます。
でも、これも本当に胸にひびくものです。 
 
それぞれの駅で繰り広げられる恋の話はとてもよいですね~~~。
どの女性も好きです。特に「イケメンだけどアホな彼氏」(この「アホな彼氏」という言い方がつぼ)を持つえっちゃんのエピは笑えて胸きゅんです。
 
あーでもずばり私世代の女性軍団はだめだめ。
こういう風にはならないように気をつけます。豹柄カットソーを着てなくても
これは悪名高い「関西のおばちゃん」です。。。。。頭痛い。
 
どちらかといえば派手さは無いです。でも原作がとてもいいし良い映画になってると
期待して見に行きたいです。安っぽい月9より面白そう。
 
沢山このブログを読んでくださってるマイケルファンの皆様には
「西宮北口」といえば、「バッドツアー」の西宮球場があったところと言えば
親しみを持っていただけるかもしれません。
実際にこのあたりでロケをしたそうです。
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「終着駅は、きっと笑顔。」
 
もし、この小説を読まれた方がいらっしゃたら
感想を教えてくださいね。
関西の作家さんで好きな人は、田辺聖子さん、宮本輝さん、宮尾登美子さん、村上春樹さんなど。有川さんもお気に入りに加わりました。
このうち宮本さん、宮尾さん、有川さんが皆さん高知所縁のかただということを発見した私。どの方も文章が流麗で、しかも人情の機微が細やかなところが好きです。