そのひとつは、声だと思う。
 
どれだけ誤解されても、喉を守るためにいつも高い声でしゃべっていた。
 
セリーヌ・ディオンは喉を守るために、極力普段はしゃべらないという話を
彼女のツアーに参加した葉加瀬太郎(変換するのしんどい)が話されていました。
ツアー中、スタッフとの会話は手話みたいなもので済ませてぜんぜん声を出さない。
フリータイムにスポーツ観戦に一緒に行ったけど、セリーヌが全然声を出さないので、沈黙しながらエキサイトしていたと。
 
プロの歌手ってこれぐらい徹底するんだと感心した覚えがあります。
 
そこまでして守る美しい声。
マイケルノ場合、秘密は7つの音(倍音)が出ていること。ゆらぎがあること。
ゆらぎというのは音が出た瞬間の倍音の出方が美しく自然であることらしい。
 
でもこの稀有な声を守るのは大変だし、体調やメンタルの変化で激しく変化を受けやすいと思います。7つも倍音が出ると言うことは、その出方や組み合わせも複雑で、ほんの微妙なずれや違いで声質が変わってしまうのでしょう。
 
TIIの映画で気にかかったのは、マイケルの声の調子でした。
リハーサルだから、フルボイスでないこともあるけど、一時期から明らかに体重が減って見るからに体調が悪いときの声。
 
聞いてもいいのかなとどぎまぎした。
 
声の変化は、聞く人より声の持ち主のほうがはるかに大きく感じるはず。
一番のベストを出したくても、そうはいかない時の辛さは計り知れない。
いい声の出ないときは、たいていピッチも外れていく。
 
you tubeで何でも出回る時代だから、リハーサルはおろか、裁判の音声記録まで出てくる。歌っている声目当てで。
 
本来絶対他人に聞かれるはずのないものまで流されて、
大事な声のことをいろいろ探られるのは厭じゃないだろうか。
たとえ褒められたとしても。