茶樹は、正確なことを言えば私がお世話させて頂いている野良猫さんたちの中の猫さんではない。

私がたまたま家の付近を歩いていた時そのへんを歩いていた茶樹と偶然出会った。

あーねこさんだ、行ってしまうかなあ、

と思いながら近づいて声をかけたらほとんど躊躇うこともなくこちらに来てくれた。

少し驚きながらも食べるものが欲しいのかな、と思って持っていたおやつをあげたら物珍しそうにちょっぴりずつ食べ始めた。

茶樹は私のお世話している野良猫さんと違いすごく体格が良い。小さいタイプのワンちゃんより大きい。栄養は充分、という感じの猫である。

おやつを一個食べ終わったらもっと欲しくなったのか、私に前足をかけて催促みたいな格好をしてきた。

初めて会う猫さんだし、あまりに大きいので私もちょっと怯んで、わ~あ、と後ろに下がったほどだ。

でも茶樹は何か悪いことをするようなこともなく態度は旧知の知人のようでとても人懐こい。😂

初めて会う猫さんからこんな厚遇を受けたことはない私はもっとおやつをあげたくて一旦家に戻り持って来るために茶樹に言い聞かせた。

「今ね、もっと持ってくるからちゃんとここで待っていて」

茶樹の目を見て言った。

果たして待ってるか、初見の猫さんだからどこかへ行ってしまうか、と大急ぎで取って戻った。

果たして、茶樹はいた。

はあ~、この子は珍しい人懐こい子だなあ、と感心しながらおやつの追加をあげた。

茶樹は食べるのがとてもゆったりしている。

私を怖がったり、逆に逃げたり、そんなそぶりは全く見られない。どれだけでも近づいてくる。

まあ、変わった猫さんだこと。

私は今まで道で会うような猫さんにはほとんど逃げられる、という惨敗続きの人間である。

何か茶樹の好むような臭いでも発しているのか、とさえ思った。

こうして茶樹と知り合い、友達になった。

それ以後、家の外に出た家族が慌てて戻り、

「茶樹が外の同じ場所で待っているよ!!」

「えっーー!?なんで?こんな時間にーー!?」

ということがたまにあるようになった。

慌てておやつを持って外に出ると、茶樹が嬉しそうに?走ってくるではないか!!

どうやら茶樹はあそこで待っていたらあのおばちゃんがおいしい汁を持ってきてくれる、

と学習してしまったようだ。

可愛い、でっかい息子のようである。

茶樹はいつ来るのかはわからない。

携帯持たせてこれから行くよ、って連絡してくれたらなあ。