(・・・ココは、どこ。)

「まったく、会長は・・を思ってこんな遺言を・・・。」

 (男の声、・・・誰?。)

「・・・じゃないぞ、高来家の財産すべてだなんて・・・。」

「この学園の敷地だけでも、たいそうな金額に・・・・。」

 (・あれは・・・隣の部屋の声?・・ああ、おばあさまの親戚の・・・)

「あんな、どこの馬の骨かもわからん、小娘。」

 (そっか、あたしソファでうたた寝してて・・・。)

「だいたい、捨て子を拾って育てるだなんて、酔狂な・・・。」

 (・・・ああ、あいかわらず嫌な人達。)

「・・・昔から、変なバーサンだったが。」

 (・・・おばあさまは、やさしかったわ。)

「その娘がそそのかして・・・」

「・・・心筋梗塞だって?・・・あやしいもんだ。」

「あら、案外・・・。」

 ------笑い声、暗く、低く、頭に、響く。

 (どうして?・・・なんでそんな事いうの?・・・おばあさまが死んだばかりなのよ。・・・どうして笑えるの?)

「・・・あの娘さえ、いなくなれば・・・。」

 (オバアサマノオソウシキガ、オワッタバカリナノニ。)

「案外すべて、うまく・・・。」

 ドアからもれる、密やかな、笑い声・・・暗い物を内に秘めて、気持ちわるい・・・。

 (・・・ドウシテ、ソンナコトヲイウノ?)

「娘は・・・、隣の・・・。」

 (カラダガオモイ、ドウシテ? イヤダ。ココニイタクナイノニ。)

「静かだな・・・さっきまでしつこく泣いていたが。」

「・・・そうね、・・・後追い自殺とかしてたりして・・・。」

 --------再び響く、幾人もの低い笑い。

 (ナンテヒトタチ。アタシ・・・、ココニイタクナイ。)

「・・・あなた、ちょっと様子を・・・。」

 (・・・コナイデ!)

 「おい。・・・寝てるのか。」

 (・・・イヤダ!・・・モウ、コンナトコロ・・キタナイ、イヤナヒトタチ!)

「・・・香菜里さん?開けるわよ。」

 --------イヤ!

 世界が、暗転した・・・・・。