では、次に「間違った失業対策」についてみていきましょう。

財政出動と失業対策1からの続きです。

よく、無駄な公共事業であっても、結果的にお金が市中に回ることにより景気が良くなり国の繁栄につながると言うことを言う経済学者がいますが、本当でしょうか？

うそのようで、ありえる政策

「モデルＣ－３」

国が道路の補修を行わず、失業対策として、発電所を建設するため３人雇います。ただこの国では電気は使われてません。つまり分配することができないものにお金を使います。支払いは一人雇３０Ｐ支払います。（ここではなんちゃって建設業とします）

そうすると以下のようになります。

「モデルＣ－３」

国の人口：１０人、ＧＤＰ：３００Ｐ、国の借金６０Ｐ

その結果、ＧＤＰは２１０Ｐ→３００Ｐ　９０Ｐ増

民間人と公務員一人当たりの受け取るサービスと物の量は２５．７Ｐ→２１Ｐ　ー４．７Ｐとなります。

失業者はなくなるため、失業保険１０Ｐ→収入３０Ｐ／人に変わります。

国の借金は、９０Ｐ－３０Ｐ（失業保険減）＝６０Ｐの増となります。

この場合年間の収支はイーブンではないため、毎年ー６０Ｐ赤字となります。

国民の負担率は、３００Ｐの生産に対して国の負担は公務員６０Ｐ＋公共事業９０Ｐ＝１５０Ｐ÷３００Ｐ＝５０％です。　４３％→５０％の増です。

ＧＤＰは確かに３００Ｐと増えてますが、９０Ｐは配分できません。収入は金額に換算するとＣ－１の２１０万円より増え３００万円ですが配分できるサービスと物は２１０Ｐと変わりません。

つまり同じ２１０Ｐを高くなった収入で割り返すので、人々が以前と同等のサービスを享受しようとすると強いインフレ要素になります。

理論上１Ｐ＝１万円から、１Ｐ＝１．４３万円となります。（３００万円を２１０Ｐに割り当てる＝３００万円÷２１０Ｐ）

Ｃ－１からＣ－２は１Ｐ＝１万円でインフレにはならず、ＧＤＰが増え一人当たりの配分も増えます。

国の借金は初年度、２０Ｐと増えますが、国民の資産が２０Ｐと増えてます。

また、ＧＤＰが増えてますので税率を据え置きにすれば税収がアップするので特に対策はいりません。

景気が良くなり国民が借金を増やせば、すぐに回収できます。一方で借金をせずに貯金をすれば国の借金はそのままです。どうなるかは正確には人の行動が読めないのと同じく計算できませんが、インフレでもなく一人当たりの配分も増え、民間と国の配分がつり合いが取れてますので全く問題ありません。

つまり、政府が財政対策をする場合Ｃ－２は大正解であり、Ｃ－３は大失敗です。

たとえば、先進国が後進国に多額のＯＤＡ援助で巨大発電所の建設を行ったとします。

でかい発電所だけ作っても機能しません。

高い賃金を払い、その国から建設労働者を集ます。低賃金の農業などやってられるかと多くの労働者が集まり、周りの農地は荒れ果てます。

農作物の不況になり、農産物は暴騰せっかくの発電所も機能しません。

こういう感じで、高インフレになり国は大変な状況になります。

発行者：彩河輪真成（経済モデル研究所所長）

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財政出動と失業対策 ２