最近、母のボケっぷりがひどい。先日は、夜中の3時にセンサーが鳴って、下に降りようとしてたら、母が、「M子、M子」と大声で叫んでる。
またこけたかと思い、慌てて階段を駆け下りたら、母はベッドから立ち上がって、嬉しそうに言った。「ソーメンうどんを作ったから食べて〜。でもガスが点かなくてあったかくならんのよ。ガスを点けてくれん?」と。
「は〜っ?ソーメンうどん?今、夜中の3時だよ。どこにあるん?あるなら食べてもいいけど、ないやん。夢見てたんやない?」
母、「ここにあるやろ?食べてみて?」
私、「無いものは食べられん。もう夜中の3時やけん寝てよ。それと大きな声出したら、ダンナさんが起きるけんやめてよ。明日仕事なのに。もうおやすみ。」と言って、母を布団に寝かせて自分も部屋に上がって寝た。
その2時間後の5時、またセンサーが鳴り、トイレかと思い母の部屋に行くと、母が嬉しそうに言った。「ラーメン作ったけん食べて〜」と。
ソーメンうどんからラーメンに変わっていた。
母は、ソーメンやうどんが大好物だったから、ミキサー食しか食べられなくなって、何年も経つけど、やっぱり麺類が食べたいんだろうな。
3年前くらいから麺類もだんだん食べられなくなり、最初は短く切ってスプーンやフォークで食べていたが、それも吐き出すようになり、ここ数年は食べていない。母は、夢の中で麺類をズズッとすすって食べているのかもしれない。
甘いものも大好きだから、 最近、お餅や饅頭もよく作って私に食べさせようとする。ベッドから「M子さん、ちょっと来て〜。」と呼ぶから、部屋に行ってみると、「もち団子を作ったから食べて」と嬉しそうに言う。「はぁ?もち団子?」
「うん、今、作ったから固くならないうちに食べて」と。私が「もち団子、どこにあるん?」と言うと、母「ここにあるやん。」私「どう見ても、それは毛布ですけど。布団は食べられんよ。」と言うと、母は「えっ、もち団子じゃないとね。」と、ビックリして言う。
ある日の朝は、「おはよう。朝よ。ご飯出来たよ。」と、起こしに行くと口をもぐもぐしてる。「えっ、何か食べよる?ア〜ンして」と口の中を見るが何もない。が、母は、口をモグモグしながら言った。「今、天ぷら食べよるけん、朝ごはんはいらんよ。」と。
食べることは生きること。
食への執着は死ぬまで止まらない。