「一生懸命働いているのに幸せになれないなんて、

            やっぱりまちがっていると思うんだ。」

                           by山本幸久


第11回 エキナカ書店大賞受賞作

   「店長がいっぱい」  著 山本幸久




ここは友々家(ゆうゆうや)。国内外に総数127店舗を展開する

他人丼のチェーン店だ。ひと癖ある社長と創業者会長の元、

左遷組、転職組、離婚した主婦、家出青年といろんな店長たち

が奮闘中。不満は山ほど、疲れも溜まりトラブル多発。でも店長

たちは今日も明日も、誰かのために店を開けています。

さあ、いらっしゃい。超絶技巧のトロトロ卵で、きっと元気になれ

ますから。

(文庫裏より)


生きていくうえで切っても切り離せないのが「人間関係」だと思う。

一番最初の人間関係は家族であろう。その後幼稚園、学校そして

社会へと広がっていく。

昨今では引き籠もりという現象もあるが、それでも完全に人との

関わりを断つこと不可能ではないだろうか。

それこそ「人は独りでは生きていけない」である、難しいことに。

そしてそこには自ずとしていろんな感情が生じる。

共に喜びを分かち合うこともあれば、激して対立することもある。

傷つくこともあり、陰で涙することもある。

とちらかというと悩んで苦しむ事のほうが多いだろう。


この本はそんな悩みを解決してくれる・・・というわけではない。

どちらかというと共感であろうか。

あぁそうだよねぇ、そんな経験あるよねぇ、こんな人いたよねぇ

思わず自分の過去を思い出し遠い目をしてしまう、みたいな?


ちょっと疲れたなと思った時に読んで「みんな一緒なんだなぁ」

と感じて欲しい、そんな印象の本です。



by鬼灯