Chapter8-7

光の世界の教官室。テーブルの上に置かれた、手紙。
何度も読み返した、その文面を。ヴィーナ教官は、
頭の中で繰り返していた。
教官室の窓を叩きつける激しい雨を見つめながら、
ヴィーナ教官は、独り呟く。

「あの日も…雨だったわ…。」

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「無事に確保したのね!怪我はないのね!」

私とレミでは、その理由もわからないまま。
幼い頃に両親と離れ。その後、何かの見えない力から、
逃れるように、旅を続けていた。
その旅が終わりを告げたのは、教育機関から差し向けられた、
シップのサーチライトが。私達を捉えた時だった。
シップが、教育機関にたどり着くと。
その後、私たちはユミさん=フレイア教官に身柄を預けられ、
今に至っている。

「フレイア?どうして、あの子達は追われていたの?
 もし、今。貴方に同じ質問をしても。返事はあの時と同じはずだわ。
 『分からない。ただ。これから彼女たちは、私が守る…』でしょう…」

ヴィーナ教官が、視線を移したレーダーに。
地球に向かう翼竜が映し出される。

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「そろそろ、片付けましょう。丁度ハンバーグも、
いい加減で煮こめているはずよ。」

夜の闇が、商店街を覆う頃。ユミさんの声で、
閉店作業を始める私達。
その目を盗むかのように。先にキッチンに入っていたレミの声が。
店の奥から響く。

「ユミねぇ!これって。火にかけなくても大丈夫なの?」

テーブルの上に置かれた鍋。その蓋を開けると、
二重構造の鍋の中をを不思議そうに見つめるレミ。

「魔法瓶の原理よ。熱を加えておくと、外の鍋に篭った熱気が、
中を温めてくれるの。忙しい時にはこれが便利!」

「ホントだ!出来てる!地球の人も考えるよねぇ!…」

ユミさんが、中鍋から、仕上がった煮込みハンバーグを盛り付ける間。
外鍋の構造を眺め続けるレミの背後から。声をかける私。

「火傷しても知らないわよ。意外と高温なんだから。」

その瞬間だった。司令室のレーダーに、異常な反応が、
現れたことを、ユミさんが持つ携帯の着信音が知らせる。

「ミカ!レミ!行きましょう!」

司令室に向けうエレベーターへ乗り込む。私とユミさん。

「ちょっ!これ持っていく!…」

続いてレミが、慌てて皿に乗せた、ハンバーグを手に。
エレベーターへ乗り込む。


(つづく)

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