仕事中、懐かしい歌を歌ってて思いついたお話です。メインの連載が滞ってるのに、なぜ?
そんなこと気にせず行っちゃいます(・ω・ )!
☆☆☆☆☆☆☆☆
敦賀蓮、初のスキャンダル!!
自宅マンション付近のスーパーマーケットで女性と買い物を楽しむ敦賀さん。敦賀さんに籠を持たせて並んで歩く女性はどなた?
そんな緊急スクープが報じられたワイドショー。テレビはどのチャンネルに切り替えても似たり寄ったりの報道ばかりだ。あまりフォーカスの良くない写真は携帯電話で撮影されたものらしく、全体的にぼやけているが、さすがに芸能界一いい男の称号を持つ蓮の姿はその麗しさですぐ解る。
キョーコは朝食の用意をしながら、やかましく捲し立てるテレビに少しうんざりして、リビングのローテーブルの前に座り込んだ。テーブルに頬杖をついて小さくため息をこぼす。
「敦賀さん、昨夜は帰って来なかったのよね。社さんに食事を頼まれて渡されたカードキーでこの部屋にお邪魔して、夕御飯と何食か分のストックを作って、冷凍保存して…。だいたいの時間になっても敦賀さんが帰ってこられないからここで台本読んでる内に眠っちゃって…。」
キョーコはまた大きなため息をついた。
「私、何やってるんだろう。敦賀さんが私の事好きだって言ってくれた。すごく嬉しかったし、敦賀さんとの距離、ぐっと近づいたって思ってた。敦賀さんが私には気を許してくれていると勘違いた。まだ何も話していないけど、社さんがこんなふうに私に敦賀さんの世話をする事を許してくれているから、私は敦賀さんの傍にいてもいいんだってどっかで思い上がって浮かれてた。でも、現実は残酷よね?」
ぶつぶつと独り言を呟いていて、相変わらず捲し立てているテレビに視線を向ける。画面にはどこまでも穏やかで紳士な『敦賀蓮』と今回話題になっているスクープ写真が交互に写し出されている。女性リポーターの興奮した高い声がキョーコの頭に突き刺さる。
「もう、うるさいわよっ!」
小さく呟くとテーブルの上においてあったリモコンでテレビの電源を切った。
昨日、キョーコは蓮から『好きだ』と言われてかなり戸惑った。俯いてもごもごしていると『俺の事、嫌い?』と聞かれて『そんな事あるわけないです』とと小さく答えるのがやっとだった。そんなキョーコな頭に蓮は手を置いて、『慌てなくていいから。俺が君の事を好きだって事だけ知っていて?』と続けた。その声の甘やかさにキョーコはどきっとして、恐る恐る顔をあげる。と自分を優しく見下ろす蓮と目があって、ポフンっと顔を真っ赤にして、また俯いてしまった。
『「最上さん、俺、本気だから。だからね…「蓮、時間だ。そろそろ移動…、ってキョーコちゃんもいたんだ。お邪魔してごめんよぉ?」いえ、大丈夫ですよ、社さん。いきましょうか?」
「お、おぉ。いいのか?なんか話してたんじゃ?」
「い、いえ、大丈夫ですから、気を付けて行ってください!」
キョーコはパッと顔をあげて、社にそう答えた。
「そう、なら行くね。あ、キョーコちゃんは今夜は時間ある?」
「はい、夕方七時にはあがりますけど?」
「なら申し訳ないんだけど、またこいつの食事をお願いできないかなぁ?」
「社さん、俺は別に…「お前また最近食べないじゃないかっ!俺の目を侮るなよ。ちゃんと見てるんだからなぁ♪」はぁ、なんで語尾が音符なんですか?」
「細かいことは気にするな。それよりキョーコちゃん、頼まれてくれる?」
「はい。私でよければ。」
「うん。蓮は今日は10時には家に着けると思うんだ。だから作りおきで構わないから頼むよ。これ、俺が使ってる合鍵のガードキー。よろしくね?」
「はい、承ります。」
「クスクス、最上さん、無理しないでね?」
「はい、大丈夫です。敦賀さんは何か食べたい物とかありませんか?」
「君が作ってくれるものは全部美味しいからなんでもいいよ。ただ、食べる時間が遅いから夜は軽めが嬉しいかも?」
「そうですね。元々食が細い方ですからね。」
「クスクス、ありがとう。」
キョーコを見る蓮の顔に社はドキッとする。ダークムーン以来『愛の演技』も絶賛されるようになった蓮。だが、キョーコを見る時の蓮はどんな役柄を演じる時よりも甘やかで大好きという気持ちがだだ漏れだ。誰よりもキョーコがその事に気づいていない事実が途方もなく無念に思うのは長年の蓮の片想いを見守る社にしてみれば当たり前の事。自分が来るほんの数秒前に蓮がキョーコに告白をしていたことなど知らない社は若い二人の関係に微笑ましく思いながら密かに蓮にエールを送っていた。
「それじゃ最上さん、行ってくるよ。」
「はい、体にいいもの作って待ってますね?」
「キョーコちゃんも無理しないでね。」
にこやかに別れたのは昨日の昼下がり。一夜開けてこんな事になってしまうとは誰も想像すらしていなかったにちがいない。
そんなこと気にせず行っちゃいます(・ω・ )!
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敦賀蓮、初のスキャンダル!!
自宅マンション付近のスーパーマーケットで女性と買い物を楽しむ敦賀さん。敦賀さんに籠を持たせて並んで歩く女性はどなた?
そんな緊急スクープが報じられたワイドショー。テレビはどのチャンネルに切り替えても似たり寄ったりの報道ばかりだ。あまりフォーカスの良くない写真は携帯電話で撮影されたものらしく、全体的にぼやけているが、さすがに芸能界一いい男の称号を持つ蓮の姿はその麗しさですぐ解る。
キョーコは朝食の用意をしながら、やかましく捲し立てるテレビに少しうんざりして、リビングのローテーブルの前に座り込んだ。テーブルに頬杖をついて小さくため息をこぼす。
「敦賀さん、昨夜は帰って来なかったのよね。社さんに食事を頼まれて渡されたカードキーでこの部屋にお邪魔して、夕御飯と何食か分のストックを作って、冷凍保存して…。だいたいの時間になっても敦賀さんが帰ってこられないからここで台本読んでる内に眠っちゃって…。」
キョーコはまた大きなため息をついた。
「私、何やってるんだろう。敦賀さんが私の事好きだって言ってくれた。すごく嬉しかったし、敦賀さんとの距離、ぐっと近づいたって思ってた。敦賀さんが私には気を許してくれていると勘違いた。まだ何も話していないけど、社さんがこんなふうに私に敦賀さんの世話をする事を許してくれているから、私は敦賀さんの傍にいてもいいんだってどっかで思い上がって浮かれてた。でも、現実は残酷よね?」
ぶつぶつと独り言を呟いていて、相変わらず捲し立てているテレビに視線を向ける。画面にはどこまでも穏やかで紳士な『敦賀蓮』と今回話題になっているスクープ写真が交互に写し出されている。女性リポーターの興奮した高い声がキョーコの頭に突き刺さる。
「もう、うるさいわよっ!」
小さく呟くとテーブルの上においてあったリモコンでテレビの電源を切った。
昨日、キョーコは蓮から『好きだ』と言われてかなり戸惑った。俯いてもごもごしていると『俺の事、嫌い?』と聞かれて『そんな事あるわけないです』とと小さく答えるのがやっとだった。そんなキョーコな頭に蓮は手を置いて、『慌てなくていいから。俺が君の事を好きだって事だけ知っていて?』と続けた。その声の甘やかさにキョーコはどきっとして、恐る恐る顔をあげる。と自分を優しく見下ろす蓮と目があって、ポフンっと顔を真っ赤にして、また俯いてしまった。
『「最上さん、俺、本気だから。だからね…「蓮、時間だ。そろそろ移動…、ってキョーコちゃんもいたんだ。お邪魔してごめんよぉ?」いえ、大丈夫ですよ、社さん。いきましょうか?」
「お、おぉ。いいのか?なんか話してたんじゃ?」
「い、いえ、大丈夫ですから、気を付けて行ってください!」
キョーコはパッと顔をあげて、社にそう答えた。
「そう、なら行くね。あ、キョーコちゃんは今夜は時間ある?」
「はい、夕方七時にはあがりますけど?」
「なら申し訳ないんだけど、またこいつの食事をお願いできないかなぁ?」
「社さん、俺は別に…「お前また最近食べないじゃないかっ!俺の目を侮るなよ。ちゃんと見てるんだからなぁ♪」はぁ、なんで語尾が音符なんですか?」
「細かいことは気にするな。それよりキョーコちゃん、頼まれてくれる?」
「はい。私でよければ。」
「うん。蓮は今日は10時には家に着けると思うんだ。だから作りおきで構わないから頼むよ。これ、俺が使ってる合鍵のガードキー。よろしくね?」
「はい、承ります。」
「クスクス、最上さん、無理しないでね?」
「はい、大丈夫です。敦賀さんは何か食べたい物とかありませんか?」
「君が作ってくれるものは全部美味しいからなんでもいいよ。ただ、食べる時間が遅いから夜は軽めが嬉しいかも?」
「そうですね。元々食が細い方ですからね。」
「クスクス、ありがとう。」
キョーコを見る蓮の顔に社はドキッとする。ダークムーン以来『愛の演技』も絶賛されるようになった蓮。だが、キョーコを見る時の蓮はどんな役柄を演じる時よりも甘やかで大好きという気持ちがだだ漏れだ。誰よりもキョーコがその事に気づいていない事実が途方もなく無念に思うのは長年の蓮の片想いを見守る社にしてみれば当たり前の事。自分が来るほんの数秒前に蓮がキョーコに告白をしていたことなど知らない社は若い二人の関係に微笑ましく思いながら密かに蓮にエールを送っていた。
「それじゃ最上さん、行ってくるよ。」
「はい、体にいいもの作って待ってますね?」
「キョーコちゃんも無理しないでね。」
にこやかに別れたのは昨日の昼下がり。一夜開けてこんな事になってしまうとは誰も想像すらしていなかったにちがいない。