sideキョーコ
記憶を取り戻すと決めた。自分自身とちゃんと向きあおうと決めた。社長さんは快諾してくださった。敦賀さんもそばで見守ってくれると言ってくれた。だから、一生懸命頑張ろうと心に誓った。
まずは私の過去の資料を全部読むところから始めた。生まれた場所、育ったところ、生活の様子などの資料を社長さんから頂いた時、そのあまりにも少ない情報量に驚いてしまった。
父の名前は解からなかった。母は菜菜という名前で、多忙を極めて私に構うことはほとんどなかったようだ。そのため、京都の老舗旅館に預けられていた。中学を卒業して東京に出て切るまでずっとその旅館で生活していたらしい。母は旅館に現れることは殆どなかったが、養育費だけは滞る事なく旅館の対象に渡されていたらしい。今私が手にした情報はその程度。小さな頃の写真なども殆ど無く、私が東京に出てくる時に私物は全て処分して出たらしく、旅館には何も残ってないらしい。
私は一体どんな子供で、何をしていたんだろう。先日『京子』を演じるために社長さんから与えられた膨大な資料や映像と比べると、内に等しい私の幼少期。私は本当にそこにいたんだろうか?
そんな心もとなさが私を不安にさせる。その不安はどんどんと大きくなって私の手に余るほどに成長してくる。こんな時には敦賀さんの腕の中がとても恋しくなる。たくましい腕に厚い胸板。優しい声と安心できる香。その全てが私をこの不安から救い出してくれる。
過去を追いかけるようになって、私は敦賀さんにどんどん依存するようになっている。敦賀さんの存在が私を癒してくれる。明日への力をくれる。だから私は頑張れる。強くなれる。敦賀さんなしではもう立ち上がれないのではないかと思うほどに、私は敦賀さんに頼りきっていた。なのに.....、だから??
記憶を取り戻すと決めた。自分自身とちゃんと向きあおうと決めた。社長さんは快諾してくださった。敦賀さんもそばで見守ってくれると言ってくれた。だから、一生懸命頑張ろうと心に誓った。
まずは私の過去の資料を全部読むところから始めた。生まれた場所、育ったところ、生活の様子などの資料を社長さんから頂いた時、そのあまりにも少ない情報量に驚いてしまった。
父の名前は解からなかった。母は菜菜という名前で、多忙を極めて私に構うことはほとんどなかったようだ。そのため、京都の老舗旅館に預けられていた。中学を卒業して東京に出て切るまでずっとその旅館で生活していたらしい。母は旅館に現れることは殆どなかったが、養育費だけは滞る事なく旅館の対象に渡されていたらしい。今私が手にした情報はその程度。小さな頃の写真なども殆ど無く、私が東京に出てくる時に私物は全て処分して出たらしく、旅館には何も残ってないらしい。
私は一体どんな子供で、何をしていたんだろう。先日『京子』を演じるために社長さんから与えられた膨大な資料や映像と比べると、内に等しい私の幼少期。私は本当にそこにいたんだろうか?
そんな心もとなさが私を不安にさせる。その不安はどんどんと大きくなって私の手に余るほどに成長してくる。こんな時には敦賀さんの腕の中がとても恋しくなる。たくましい腕に厚い胸板。優しい声と安心できる香。その全てが私をこの不安から救い出してくれる。
過去を追いかけるようになって、私は敦賀さんにどんどん依存するようになっている。敦賀さんの存在が私を癒してくれる。明日への力をくれる。だから私は頑張れる。強くなれる。敦賀さんなしではもう立ち上がれないのではないかと思うほどに、私は敦賀さんに頼りきっていた。なのに.....、だから??