「お待たせしました。」
「あ、きたきた。さぁ、はじめようかね?」
おばちゃんはそういうと鉄板にささっと油をしいててんかすをパラパラと鉄板に落とす。それを確認して私が生地を流し入れる。ジューっという音と油の臭いがふわぁっと店内に溢れる。おばちゃんはたこ焼き機特有の窪みにタコをポンポンと入れて、刻みネギ、紅生涯を散らす。最後に鰹の粉を振りかけて準備完了。
おばちゃんは鉄串を持ってたこ焼きを返し始めた。
くるりんくるりんと返されてまん丸になっていくたこ焼きを見て、敦賀さんの顔が楽しそうに崩れる。おばちゃんはその表情を見て、「やってみなよ!」と自身の持っていた鉄串を敦賀さんに手渡す。敦賀さんは少し戸惑ったけれど、おばちゃんから鉄串を受け取っておばちゃんがしていたように串を動かす。が、上手く回らない。「あれっ?」と不思議顔の敦賀さんをおばちゃんははクスッと笑いながら手早く他のたこ焼きを回していく。敦賀さんはおばちゃんの手先を見ながらやっとの事でころんとたこ焼きを返して、私ににっこりと笑いかけられた。
「難しいものだね。なんであんなに上手く出来るんだろう?」
敦賀さんに「慣れでしょうかね?」と答えると、「そんなものなのか…。」と感心顔。
おばちゃんは焼き上がったたこ焼きをお皿に取るとさっとはけでソースをぬり、鰹の粉と青のりをかけて渡してくれた。
「さぁどうぞ?」
ふわふわと湯気をあげているたこ焼き。香ばしいソースの匂いも食欲をそそる。
「「いただきます」」と二人同時に手を合わせてお箸を取る。敦賀さんはお皿から一つ小皿に取ってまじまじと眺めてらしたけれど、意を決したようにお箸で挟んで口の中に入れた。私は思わず「あっ!」と小さな悲鳴をあげてしまった。確かに小さめなそのまんまるなたこ焼きは簡単に一口で食べられるけれど、中は熱々トロトロで…
思った通り、敦賀さんが口元を押さえてほふほふっと熱さを逃していらっしゃる。紳士な敦賀さんは熱いからといって口から出す事も出来ず、顔を真っ赤にしながら何とか口の中のたこ焼きを冷まそうと必死だ。しばらくしてやっと食べられる温度になったらしく、ゆっくり味わうように噛み締めて飲み込むのが解ったので私も一緒にほっとしてしまった。飲み込み終わった敦賀さんはほぉっと小さなため息をついて、「熱かったよ。」と苦笑される。私はそんな敦賀さんがなんだかとても可愛らしくて笑いを堪える事が出来なかった。
「あ、きたきた。さぁ、はじめようかね?」
おばちゃんはそういうと鉄板にささっと油をしいててんかすをパラパラと鉄板に落とす。それを確認して私が生地を流し入れる。ジューっという音と油の臭いがふわぁっと店内に溢れる。おばちゃんはたこ焼き機特有の窪みにタコをポンポンと入れて、刻みネギ、紅生涯を散らす。最後に鰹の粉を振りかけて準備完了。
おばちゃんは鉄串を持ってたこ焼きを返し始めた。
くるりんくるりんと返されてまん丸になっていくたこ焼きを見て、敦賀さんの顔が楽しそうに崩れる。おばちゃんはその表情を見て、「やってみなよ!」と自身の持っていた鉄串を敦賀さんに手渡す。敦賀さんは少し戸惑ったけれど、おばちゃんから鉄串を受け取っておばちゃんがしていたように串を動かす。が、上手く回らない。「あれっ?」と不思議顔の敦賀さんをおばちゃんははクスッと笑いながら手早く他のたこ焼きを回していく。敦賀さんはおばちゃんの手先を見ながらやっとの事でころんとたこ焼きを返して、私ににっこりと笑いかけられた。
「難しいものだね。なんであんなに上手く出来るんだろう?」
敦賀さんに「慣れでしょうかね?」と答えると、「そんなものなのか…。」と感心顔。
おばちゃんは焼き上がったたこ焼きをお皿に取るとさっとはけでソースをぬり、鰹の粉と青のりをかけて渡してくれた。
「さぁどうぞ?」
ふわふわと湯気をあげているたこ焼き。香ばしいソースの匂いも食欲をそそる。
「「いただきます」」と二人同時に手を合わせてお箸を取る。敦賀さんはお皿から一つ小皿に取ってまじまじと眺めてらしたけれど、意を決したようにお箸で挟んで口の中に入れた。私は思わず「あっ!」と小さな悲鳴をあげてしまった。確かに小さめなそのまんまるなたこ焼きは簡単に一口で食べられるけれど、中は熱々トロトロで…
思った通り、敦賀さんが口元を押さえてほふほふっと熱さを逃していらっしゃる。紳士な敦賀さんは熱いからといって口から出す事も出来ず、顔を真っ赤にしながら何とか口の中のたこ焼きを冷まそうと必死だ。しばらくしてやっと食べられる温度になったらしく、ゆっくり味わうように噛み締めて飲み込むのが解ったので私も一緒にほっとしてしまった。飲み込み終わった敦賀さんはほぉっと小さなため息をついて、「熱かったよ。」と苦笑される。私はそんな敦賀さんがなんだかとても可愛らしくて笑いを堪える事が出来なかった。