連続ドラマ『君の言い訳、僕の嘘』は無事にクランクアップを迎えた。クランクイン前から蓮とキョーコの事故やマスコミの騒ぎ、キャスト変更にシナリオの変更と矢継ぎ早に色々ありはしたが、総じていい仕事だったとみな実感している。予定通りに日程を終了し、そのままの流れで最終話とスペシャルの番宣を兼ねた打ち上げパーティーへと移行する。
蓮とキョーコはテンが待ち構えるワゴン車にほぼ拉致同然に放り込まれ、解放された時には全く別人のように華やかな装いに身を包んでいた。
「わぁっ!キョーコちゃんやっぱり化けるねぇっ!」
送迎の車を降りて蓮にエスコートされながらパーティー会場に入ると、木島がニコニコと声をかけて来た。
「あ、ありがとうございます。でも、こんな華やかなドレス着なれてないから落ち着かなくて…。」
そういって少し俯いたキョーコに木島が「この前も綺麗だと思ったけど、うん、今日は一段と綺麗だ。」と一人でうんうん頷きながらキョーコを眺める。キョーコはその視線が居たたまれなくてますます俯いて小さくなってしまう。
「貴島君、そのくらいで勘弁してあげたらどうだい?」と小さく縮こまるキョーコを貴島から庇うように後ろに隠しながら蓮が穏やかに言う。その表情は笑顔で声も穏やかなのに、貴島は言い知れない威圧感を感じてしまう。
「敦賀くん、そんなに怒らなくてもいいじゃないか。綺麗なものを綺麗だって言って愛でる事に罪はないだろう?」
「この子はダメだよ。そんな値踏みするような自然に晒されてないんだから。」
「敦賀くんは相変わらずキョーコちゃんには過保護だな。」と苦笑まじりに言うと貴島はそこを離れ、他の役者達の集まっている所へ歩き去っていった。
「あの、敦賀さん。すいません、ご迷惑おかけしてしまって…。」
去っていく貴島の背中を眺めながらキョーコは心底申し訳無さそうな声で蓮に謝る。
「今夜の君のナイトは俺だから。お姫様を護るのはナイトの使命。当然の事だよ?」
「でも…」
また俯いてしまったキョーコをそっと引き寄せて蓮は小さな声で囁く。
「今日の主役は俺達だよ。胸を張ってくれなきゃ困るよ?」
キョーコはハッと顔をあげ、蓮の悪戯っぽい言い方と表情にぷぅっと頬を膨らませる。「負けませんから!」と声は小さいがしっかりとした闘志を燃やすキョーコ。
蓮はクスッと笑って、さりげなくキョーコをエスコートして会場の中へと進んで行った。
蓮とキョーコはテンが待ち構えるワゴン車にほぼ拉致同然に放り込まれ、解放された時には全く別人のように華やかな装いに身を包んでいた。
「わぁっ!キョーコちゃんやっぱり化けるねぇっ!」
送迎の車を降りて蓮にエスコートされながらパーティー会場に入ると、木島がニコニコと声をかけて来た。
「あ、ありがとうございます。でも、こんな華やかなドレス着なれてないから落ち着かなくて…。」
そういって少し俯いたキョーコに木島が「この前も綺麗だと思ったけど、うん、今日は一段と綺麗だ。」と一人でうんうん頷きながらキョーコを眺める。キョーコはその視線が居たたまれなくてますます俯いて小さくなってしまう。
「貴島君、そのくらいで勘弁してあげたらどうだい?」と小さく縮こまるキョーコを貴島から庇うように後ろに隠しながら蓮が穏やかに言う。その表情は笑顔で声も穏やかなのに、貴島は言い知れない威圧感を感じてしまう。
「敦賀くん、そんなに怒らなくてもいいじゃないか。綺麗なものを綺麗だって言って愛でる事に罪はないだろう?」
「この子はダメだよ。そんな値踏みするような自然に晒されてないんだから。」
「敦賀くんは相変わらずキョーコちゃんには過保護だな。」と苦笑まじりに言うと貴島はそこを離れ、他の役者達の集まっている所へ歩き去っていった。
「あの、敦賀さん。すいません、ご迷惑おかけしてしまって…。」
去っていく貴島の背中を眺めながらキョーコは心底申し訳無さそうな声で蓮に謝る。
「今夜の君のナイトは俺だから。お姫様を護るのはナイトの使命。当然の事だよ?」
「でも…」
また俯いてしまったキョーコをそっと引き寄せて蓮は小さな声で囁く。
「今日の主役は俺達だよ。胸を張ってくれなきゃ困るよ?」
キョーコはハッと顔をあげ、蓮の悪戯っぽい言い方と表情にぷぅっと頬を膨らませる。「負けませんから!」と声は小さいがしっかりとした闘志を燃やすキョーコ。
蓮はクスッと笑って、さりげなくキョーコをエスコートして会場の中へと進んで行った。