「ペアならシリアルを00000-Mと00000-Fみたくナンバーを同じで対にしてもらえませんか?」
「蓮、お前はシリアルまでお揃いがいいのか…」と隣で呟く社さんの台詞はきっと独り言だから無視を決め込んだ。ジョンは少し考えていたが、「それならペア1万組限定って事でいいんだな?」と承諾してくれた。
「CMは急遽だったが黒崎監督を捕まえる事ができた。あの監督のCMはアートらしいからなぁ、俺も楽しみにしてるよ。品物は撮影当日に現場で渡せるように準備するから、当日よろしくな。」
ジョンと軽く握手を交わして、ジョンの穏やかな笑顔に見送られて俺達は次の仕事に向かった。
「蓮、黙ってた事怒ってるのか?」社さんは申し訳なさそうに聞いてくる。
「いえ、ビックリしただけですよ。俺がジョンにデザインを頼んだのは先週ですから、まさかそんなに話が進んでるなんて思いもしませんでしたから。」
「あぁ、流石は社長ってとこだろうなぁ。」
「一体どこから社長に話が伝わったのかはよく解りませんが…、最上さんと共演なんて嬉しいプレゼント付きですから文句なんかありませんよ。」
俺はちょっとだけ不機嫌を装ってそう返したが、内心はウキウキで顔が崩れないように保つだけで精一杯だった。最上さんと共演、しかもどう考えても恋人役。しかもクリスマス用のCM。こんな素敵な偶然、乗っかって満喫するしかいだろう。
俺の機嫌はその日から絶好調だった。浮かれていると自分でも解るほどにご機嫌な俺がそこにいた。
「蓮、お前はシリアルまでお揃いがいいのか…」と隣で呟く社さんの台詞はきっと独り言だから無視を決め込んだ。ジョンは少し考えていたが、「それならペア1万組限定って事でいいんだな?」と承諾してくれた。
「CMは急遽だったが黒崎監督を捕まえる事ができた。あの監督のCMはアートらしいからなぁ、俺も楽しみにしてるよ。品物は撮影当日に現場で渡せるように準備するから、当日よろしくな。」
ジョンと軽く握手を交わして、ジョンの穏やかな笑顔に見送られて俺達は次の仕事に向かった。
「蓮、黙ってた事怒ってるのか?」社さんは申し訳なさそうに聞いてくる。
「いえ、ビックリしただけですよ。俺がジョンにデザインを頼んだのは先週ですから、まさかそんなに話が進んでるなんて思いもしませんでしたから。」
「あぁ、流石は社長ってとこだろうなぁ。」
「一体どこから社長に話が伝わったのかはよく解りませんが…、最上さんと共演なんて嬉しいプレゼント付きですから文句なんかありませんよ。」
俺はちょっとだけ不機嫌を装ってそう返したが、内心はウキウキで顔が崩れないように保つだけで精一杯だった。最上さんと共演、しかもどう考えても恋人役。しかもクリスマス用のCM。こんな素敵な偶然、乗っかって満喫するしかいだろう。
俺の機嫌はその日から絶好調だった。浮かれていると自分でも解るほどにご機嫌な俺がそこにいた。