「『敦賀蓮』がアルマンディ以外のブランドに興味もっちゃだめだろう?」と隣から社さんがにんまり顔でからかってくる。
「そんなんじゃないですよ、市場調査ですから。」とさらっと受け流してタイムリミットだと告げる社さんと一緒に店を出た。
社さんのさっきの言葉に『その手があった!』と閃いて、撮影の合間に懇意にしているアルマンディのデザイナーに連絡をいれた。
iPoneがすっぽり入って液晶部分に保護用のクリアパネルを入れて欲しい事と背面をカードケースにして欲しい事を告げるとデザイナーは苦笑しながらも快諾してくれた。そして、『それなら敦賀蓮プロデュースにしようか?』と持ちかけられて面食らった。だが、数量限定シリアルナンバー制にすれば面白いと言われて快諾した。
数日後俺の元に届いたサンプルはしっとりした上質の皮を使って出来るだけ薄く仕上げたボディ。背面はカードケースになっていてクレジットカードが一枚か二枚入るようになっていた。色はダークブラウンとライトブラウンの二種類。完全受注生産でシリアルナンバーと希望する名前を刻印してくれるという限定もの。限定数は1000個なのだという。俺的には2個だけでも良かったんだけれど、それは口には出さずにおいた。
最終の打ち合わせはアルマンディの直営店でという事になり、社さんの絶妙なスケジュール調整によって俺は社さんとお店に来ている。
「蓮、お前が小物に興味持つなんて珍しいなぁ。しかしさすがに敦賀蓮だよ。お前が『欲しい』といえばこんな形で叶えられるんだからなぁ…。」
「たまたまですよ。携帯といえば本当に色んなものがある中でiPoneが占めるシェアが尋常じゃなく大きいって事に感謝します。」
「まぁ、そうなんだろうけどさぁ。俺はスマホは多分無理だからなんだか寂しくなっちゃうよ…。」
「…すいません」
社さんの特異体質を思えばスマホ系は確かに無理そうだ。つい謝罪の言葉が出てしまう。
「お前が謝る事じゃないだろう。まぁ気にするなって。」と苦笑する社さんにつられて俺も苦笑する。場の空気が軽くなったところで控えめなノックの後、俺達のいる応接室に今回のデザイナーがやって来た。
俺達はソファから立ち上がって挨拶をする。
「今回は急なお願いを快く引き受けてくださってありがとうございます。」と切り出した俺にデザイナーのジョンは人懐っこい笑顔で答えてくれた。
「そんなんじゃないですよ、市場調査ですから。」とさらっと受け流してタイムリミットだと告げる社さんと一緒に店を出た。
社さんのさっきの言葉に『その手があった!』と閃いて、撮影の合間に懇意にしているアルマンディのデザイナーに連絡をいれた。
iPoneがすっぽり入って液晶部分に保護用のクリアパネルを入れて欲しい事と背面をカードケースにして欲しい事を告げるとデザイナーは苦笑しながらも快諾してくれた。そして、『それなら敦賀蓮プロデュースにしようか?』と持ちかけられて面食らった。だが、数量限定シリアルナンバー制にすれば面白いと言われて快諾した。
数日後俺の元に届いたサンプルはしっとりした上質の皮を使って出来るだけ薄く仕上げたボディ。背面はカードケースになっていてクレジットカードが一枚か二枚入るようになっていた。色はダークブラウンとライトブラウンの二種類。完全受注生産でシリアルナンバーと希望する名前を刻印してくれるという限定もの。限定数は1000個なのだという。俺的には2個だけでも良かったんだけれど、それは口には出さずにおいた。
最終の打ち合わせはアルマンディの直営店でという事になり、社さんの絶妙なスケジュール調整によって俺は社さんとお店に来ている。
「蓮、お前が小物に興味持つなんて珍しいなぁ。しかしさすがに敦賀蓮だよ。お前が『欲しい』といえばこんな形で叶えられるんだからなぁ…。」
「たまたまですよ。携帯といえば本当に色んなものがある中でiPoneが占めるシェアが尋常じゃなく大きいって事に感謝します。」
「まぁ、そうなんだろうけどさぁ。俺はスマホは多分無理だからなんだか寂しくなっちゃうよ…。」
「…すいません」
社さんの特異体質を思えばスマホ系は確かに無理そうだ。つい謝罪の言葉が出てしまう。
「お前が謝る事じゃないだろう。まぁ気にするなって。」と苦笑する社さんにつられて俺も苦笑する。場の空気が軽くなったところで控えめなノックの後、俺達のいる応接室に今回のデザイナーがやって来た。
俺達はソファから立ち上がって挨拶をする。
「今回は急なお願いを快く引き受けてくださってありがとうございます。」と切り出した俺にデザイナーのジョンは人懐っこい笑顔で答えてくれた。