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この内容を初めて聴いた時はバッシング対策の台本でもあるのかと疑った私です。それにしても、あの敦賀蓮さんをして、ここまで言わせてしまう京子さんとはいったいどんな人なのかという疑問が湧いてきたのも事実です。それでですねぇ、私の独断と偏見で、京子さんの人となりを調べてみました。それでは短めのVTRに纏めてみましたのでご覧ください。

まず映し出されたのは今放映中のドラマでのまゆみ。
『今回のドラマでは敦賀蓮さんとほぼダブル主演で高橋まゆみ役を演じる京子さん。デビューはつい最近、二年ほど前に遡ります。』
次に映るのは奏江と二人でデビューを飾ったキュララのCM。それに続いてこのCMのオーディションで京子と琴南奏江を発掘した黒崎潮監督のインタビューが入る。「あぁ、面白い奴だよ、彼女は。追い詰められたら逃げるだけじゃ悔しいじゃない?」って根性でこの仕事を取りやがった。いや、根性だけじゃねぇな、その根性で培った実力と天性の素質があってこその抜擢だ。なんせ、俺の作品はアートだからなっ!」

画面は変わって魅力的な女性が映る。左下のテロップには『クイーンレコード麻美春樹』と書かれている。

「京子さんですか、はい、不破尚のプロモーションビデオに出ていただきました。きっかけは不破が『この子』と言ってオファーをかけました。最初は私も正直使えるのかどうか解らずにいましたが、彼女は私の想像以上の仕事をしてくれましたよ。」画面にはもう一人の天使を演じる美森と楽しそうに遊ぶ美しい天使、京子の姿が映る。
「尚のあんな表情を出させてくれるなんてびっくりしました。普段の彼女からは想像できない程の天使が悪魔に変わる瞬間、私は今もリアルに思い出せます!」続いて、塔の最上から尚が演じる悪魔を落とす京子演じる天使。悪魔が堕ちていく姿の次に写し出された天使は…まさしく悪魔だった。

キョーコは画面から淡々と写し出される映像を見ながら、どこか他人事のような気がしてしまう。確かに、画面に映るのは自分の姿。先日渡されて読み始めた資料にも同じものがあった。しかし、自分が本当にその役を演じていたという実感がない。記憶がないというのは本当に大変な事なのだとキョーコはひしひしと感じた。