撮影中****
キャンパスを抜け出し、近くの駐車場に停めてあったみのるの車で二人は出かけた。最初まゆみはみのるが車で来ている事を知らなかったのでかなり驚いていた。同乗することに躊躇していたが、みのるに半ば強引に助手席に押し込まれてしまった。車はゆっくり静かに滑り出した。まゆみは車の助手席に乗る事は滅多にない。慣れない場所にどうしていあのか戸惑ってしまう。ふと運転席に座るみのるを見ると真顔で前を見ている。『運転中の男性って結構格好いいものなのね…』などと思いながら眺めていたら「俺の顔に何かついてる?」とミラー越しにみのるに問われてハッとしてしまった。
「ごめんなさい、そんなつもりじゃ…」「いや、別に謝らなくても構わないよ。女性に見詰められると照れちゃうから(笑)」
「なにそれ?」「そういえば、この車に女性を載せるのは高橋さんが初めてだな。」「えっ、嘘?」「嘘じゃないよ。俺、車に乗り始める前くらいからカノジョとか居ないし、友達もそんなに居ないからね。上野とも大学以外ではなかなか会わないから…」「ごめんなさい…」「なんで謝るの?」「…、私なんかが最初に乗ったりして…、なんとなく申し訳ないわ。」「なんで?いいじゃない。それに、状況からすれば高橋さんは俺に拉致されてる訳だし。」「拉致って穏やかじゃないわね?」「これで助手席側のドアにチャイルドロックでもかかってたら俺は犯罪者だからね(笑)」「そんなのんきな犯罪者も珍しいわ(笑)」
一頻り笑ったらお互い緊張が取れたようで、他愛もない話に花が咲く。昼食は手頃なインド料理の店を選んだ。いろんなスパイスの香りと適度に辛い料理についつい食べ過ぎてしまった。、二人は沢山話をした。講義の事、課題の事、みのるは週末に上野に人数合わせに連れ出された合コンで大変だった話などを聞かせた。まゆみは驚いたり笑ったり、ちょっと不機嫌な顔になったり、一人で百面相をしながら話を聞いている。そんなコロコロ変わるまゆみの表情はどれも新鮮でみのるはつい見惚れてしまう自分に気づく。『しっかりしろ、俺っ!』と自分を叱咤する事数多。
まゆみはといえば、普段あまり喋らないみのるが色々話をするので驚いていた。『いつもは上野くんが私達を笑わせてくれているから…。』
まゆみは大事な事に気づいてしまった。
キャンパスを抜け出し、近くの駐車場に停めてあったみのるの車で二人は出かけた。最初まゆみはみのるが車で来ている事を知らなかったのでかなり驚いていた。同乗することに躊躇していたが、みのるに半ば強引に助手席に押し込まれてしまった。車はゆっくり静かに滑り出した。まゆみは車の助手席に乗る事は滅多にない。慣れない場所にどうしていあのか戸惑ってしまう。ふと運転席に座るみのるを見ると真顔で前を見ている。『運転中の男性って結構格好いいものなのね…』などと思いながら眺めていたら「俺の顔に何かついてる?」とミラー越しにみのるに問われてハッとしてしまった。
「ごめんなさい、そんなつもりじゃ…」「いや、別に謝らなくても構わないよ。女性に見詰められると照れちゃうから(笑)」
「なにそれ?」「そういえば、この車に女性を載せるのは高橋さんが初めてだな。」「えっ、嘘?」「嘘じゃないよ。俺、車に乗り始める前くらいからカノジョとか居ないし、友達もそんなに居ないからね。上野とも大学以外ではなかなか会わないから…」「ごめんなさい…」「なんで謝るの?」「…、私なんかが最初に乗ったりして…、なんとなく申し訳ないわ。」「なんで?いいじゃない。それに、状況からすれば高橋さんは俺に拉致されてる訳だし。」「拉致って穏やかじゃないわね?」「これで助手席側のドアにチャイルドロックでもかかってたら俺は犯罪者だからね(笑)」「そんなのんきな犯罪者も珍しいわ(笑)」
一頻り笑ったらお互い緊張が取れたようで、他愛もない話に花が咲く。昼食は手頃なインド料理の店を選んだ。いろんなスパイスの香りと適度に辛い料理についつい食べ過ぎてしまった。、二人は沢山話をした。講義の事、課題の事、みのるは週末に上野に人数合わせに連れ出された合コンで大変だった話などを聞かせた。まゆみは驚いたり笑ったり、ちょっと不機嫌な顔になったり、一人で百面相をしながら話を聞いている。そんなコロコロ変わるまゆみの表情はどれも新鮮でみのるはつい見惚れてしまう自分に気づく。『しっかりしろ、俺っ!』と自分を叱咤する事数多。
まゆみはといえば、普段あまり喋らないみのるが色々話をするので驚いていた。『いつもは上野くんが私達を笑わせてくれているから…。』
まゆみは大事な事に気づいてしまった。