電車に乗って帰り道。彼女の私に対する説教は続いた。私は無抵抗でサンドバッグ状態。でも、このまま帰ってしまったらAさんに気を使わせてしまうから、彼女の地元で私がよく行っているお店に連れていった。
女三人カウンターに座って飲み物を注文する。私は注文しなくてもいつもの飲み物が出てくる。
彼女は冷えたグラスに注がれたスーパード○イにご満悦。これで穏やかに飲めるかと思いきや、彼女の矛先はまたもや私に向けられた…。
(キレていいですか?)Aさんや店のマスターに視線で問いかけるが『だめっ!』と目で返されるだけ。まるで拷問だ。私の事を罵るならまぁいい。若いツバメに入れ込んで貢いでいるのは確かな事だから。でも、彼の事を批判する権利は彼女にはないはずだ!
『あんたがそんな事ばっかりしてるから相手のおとこもダメになるんや。さげまん以外の何者でもないわっ!」
この人、言ってはいけない事をとうとう言っちゃった。私はそれからはもうひたすらヘラヘラ笑いながらいつもよりかなり速いペースでマスターの作ってくれる特製カルアミルクを煽った。

私が大好きなツバメくん。まだまだ粗削りで身勝手で、でも一生懸命自分を見ようとしている青年。私ごときに色々世話を焼かれたところで彼の軸はぶれない。彼のんな所が私は大好きだ。もちろん男前なのが前提での話だけど…。
私が否定されるのはいい。私を批判するならそれもいいと想う。でも、彼への避難は許せない。私の中で何かが音を立てて切れた。それが堪忍袋の緒だったかどうかは未だに定かではないけれど、私は頭の中で、酔っ払って気持ち良く私に罵声を浴びせている彼女の存在を消去した。

以前彼に言われた私の特徴。理不尽な事をされたら『怒る』のではなくて『凹む』のだそうだ。そしてそのセリフを実感することが出来た瞬間だった。

彼女との関わりはしばらく持たないようにするつもり。エステの予約もそろそろキャンセルしよう。明日、また別のイベントに呼ばれているけれど、仕事を理由にキャンセルしよう。(休みなんだけどね)

私がこんな事をするのはすごく珍しい。なんだか子供みたくてちょっと恥ずかしい…。

おわり