サイドキョーコ
ドラマの撮影は順調で、監督始め共演者やスタッフの皆さんとも仲良くしていただいて、撮影現場は和やかな空気が流れている。敦賀さんも私も時々役に引っ張られてしまうけれど、お互いに二人三脚で乗り越えてこれている。ドラマも佳境に入り、まのる、まゆみそれぞれの自立と二人の恋の行方に焦点が置かれ、ハッピーエンドに向けて進んでいる。つまりはみのるとまゆみは結ばれる訳で…、最終的にはキスシーンが待ち構えていたりする…。
「はぁ…」なぜかため息が大きい。結ばれるのはみのるとまゆみ、演じるのは敦賀連と京子。敦賀さんと私じゃない。なのにだんだん気が重くなる。私はどうしてしまったんだろう…。何が胸のなかでモヤモヤしているのか、さっぱり検討もつかない。そんな最中に社さんってばキスシーンの話題なんでふるんだから、私がすねちゃっても許されるわよね?
敦賀さんは動じる事なく穏やかだったけど、それ故に余計に私は追い詰められてしまう。
社さんに泣きつかれて「キョーコちゃん、そろそろ許してあげたら?」と優しく声をかけてくれる敦賀さんにまで「敦賀さんも楽しんでるんでしょっ!」なんて怒り口調になってしまった、ごめんなさい。そっぽを向いているのは赤くなった顔を見られたくないから。どうしていいか自分でも収拾がつかないんです。
そこに違う所からかかった声「京子様、そろそろお昼ご飯のお時間です。近くの洋食屋にハンバーグの美味しいお店がありますがいかがなされますか?」とのお誘い!これは天の助けよ、キョーコ!
「いきますっ!敦賀さん、社さんも行きますよね!」と勢いよく言い放つ。「うん、行くよ。目玉焼きは乗るのかな?」と敦賀さんの優しい声。それに続いて「キョーコちゃん、俺も行っていいの?」恐々聞く社さんに「もちろんです。っていうか、来ないと絶好しますからねっ!」と笑顔で返す。これで何とか仲直りできるかな…。
こんなわがままでどうしようもない私をこんな素敵な人達が支えてくれる。ずっと感じているモヤモヤもどうでもよくなってしまいそうなくらいに楽しい。敦賀さんの笑顔、私が独占してもいいですか?敦賀蓮はみんなのものだけど、私の前にいるあなたは私だけの敦賀さんでいてくれますか?
そんな分不相応な問い掛けは決して口には出せない。でも、気付いてしまった。みのるがまゆみに向ける視線を、敦賀蓮が京子に向ける視線を、敦賀さんが私に向けてくれるのを強く望んでいる事に。
ドラマの撮影は順調で、監督始め共演者やスタッフの皆さんとも仲良くしていただいて、撮影現場は和やかな空気が流れている。敦賀さんも私も時々役に引っ張られてしまうけれど、お互いに二人三脚で乗り越えてこれている。ドラマも佳境に入り、まのる、まゆみそれぞれの自立と二人の恋の行方に焦点が置かれ、ハッピーエンドに向けて進んでいる。つまりはみのるとまゆみは結ばれる訳で…、最終的にはキスシーンが待ち構えていたりする…。
「はぁ…」なぜかため息が大きい。結ばれるのはみのるとまゆみ、演じるのは敦賀連と京子。敦賀さんと私じゃない。なのにだんだん気が重くなる。私はどうしてしまったんだろう…。何が胸のなかでモヤモヤしているのか、さっぱり検討もつかない。そんな最中に社さんってばキスシーンの話題なんでふるんだから、私がすねちゃっても許されるわよね?
敦賀さんは動じる事なく穏やかだったけど、それ故に余計に私は追い詰められてしまう。
社さんに泣きつかれて「キョーコちゃん、そろそろ許してあげたら?」と優しく声をかけてくれる敦賀さんにまで「敦賀さんも楽しんでるんでしょっ!」なんて怒り口調になってしまった、ごめんなさい。そっぽを向いているのは赤くなった顔を見られたくないから。どうしていいか自分でも収拾がつかないんです。
そこに違う所からかかった声「京子様、そろそろお昼ご飯のお時間です。近くの洋食屋にハンバーグの美味しいお店がありますがいかがなされますか?」とのお誘い!これは天の助けよ、キョーコ!
「いきますっ!敦賀さん、社さんも行きますよね!」と勢いよく言い放つ。「うん、行くよ。目玉焼きは乗るのかな?」と敦賀さんの優しい声。それに続いて「キョーコちゃん、俺も行っていいの?」恐々聞く社さんに「もちろんです。っていうか、来ないと絶好しますからねっ!」と笑顔で返す。これで何とか仲直りできるかな…。
こんなわがままでどうしようもない私をこんな素敵な人達が支えてくれる。ずっと感じているモヤモヤもどうでもよくなってしまいそうなくらいに楽しい。敦賀さんの笑顔、私が独占してもいいですか?敦賀蓮はみんなのものだけど、私の前にいるあなたは私だけの敦賀さんでいてくれますか?
そんな分不相応な問い掛けは決して口には出せない。でも、気付いてしまった。みのるがまゆみに向ける視線を、敦賀蓮が京子に向ける視線を、敦賀さんが私に向けてくれるのを強く望んでいる事に。