サイド蓮
「あの、皆さんは同じ事務所だから解りますけど、監督までなぜですか?」「そうよね、松内さんは部外者でしょ?私達は一緒にお仕事し…」言い募る女優たちの後ろから新開監督が姿を現した。「おぉっ、待たせたな、蓮!」とヒラヒラと手を降りながら近づく監督に件の女優達は振り返り話しかける。
「あの、監督、私達もご一緒させて…「すまんな、コイツらは前の映画で共演した連中で、俺、蓮、瑠璃の三人ともキョーコちゃんには恩がある。まぁ、飯でも奢るわってノリなんで遠慮してくれ。」」「…恩、ですか?」
「あぁ、大事な事を瑠璃に思い出させてくれた救世主さ。キョーコちゃんが居なかったら瑠璃は本当に『白壁塗子』になってただろうからな。」「「「っ!」」」
ここで監督はさっきまで彼女達が瑠璃子ちゃんの悪口で笑っていたのを知っている事をほのめかす。その言葉に女優達は再び凍りつく。今なら俺も発言許されるよね?
「確かにネーミングセンスはいい線行ってると想うよ。でも、悪口は聞かれちゃ困る人のいないところで言わなくちゃ、ね。」と極上の営業スマイルをお見舞いした。いや、皆さん、俺は怒っているんだよ、見惚れる場合じゃないと思うんだけれど…。「そぉだな。そのセンス、これからの演技にも生かせるように頑張ってくれや(笑)」暢気な口調で続ける監督に返事も出来ず、今度は顔色を真っ青にする女優たち。百面相はキョーコちゃんの特技だと思っていたけど、意外と色んな女性が持ち備えた技術なのだろうか。キョーコちゃんの百面相はもっと面白いんだけどね。そんな事を考えていると俺の服の袖口が引っ張られる感触にそちらを見やるとキョーコちゃんが控えめに袖口を引っ張っている。「あの、もう…その辺…で……。」あぁ、いたたまれないんだろう。多分一番酷い事を言われたりされたりしたのは君なのに、彼女達が可哀想とか思ってるんだなぁ。
「ハイエナ部員のくせに敦賀さんに頭を撫でてもらうなんて相変わらず図々しいわねっ!」
「瑠璃子ちゃん、違うの、コレは…」瑠璃子ちゃんっておこりんぼなんだ。なんとなくキョーコちゃんに対する扱いは琴南さんと近いものがあるよな。
「そんなウジウジしてるからその辺の有象無象にやり込められるのよっ!あんたはちゃんと期待に応えてるんだから、ちゃんと自信を持ちなさいっ!」その通りだよキョーコちゃん。瑠璃子ちゃん、ちょっと顔が赤いよ。君はツンデレなんだね。
「あの、皆さんは同じ事務所だから解りますけど、監督までなぜですか?」「そうよね、松内さんは部外者でしょ?私達は一緒にお仕事し…」言い募る女優たちの後ろから新開監督が姿を現した。「おぉっ、待たせたな、蓮!」とヒラヒラと手を降りながら近づく監督に件の女優達は振り返り話しかける。
「あの、監督、私達もご一緒させて…「すまんな、コイツらは前の映画で共演した連中で、俺、蓮、瑠璃の三人ともキョーコちゃんには恩がある。まぁ、飯でも奢るわってノリなんで遠慮してくれ。」」「…恩、ですか?」
「あぁ、大事な事を瑠璃に思い出させてくれた救世主さ。キョーコちゃんが居なかったら瑠璃は本当に『白壁塗子』になってただろうからな。」「「「っ!」」」
ここで監督はさっきまで彼女達が瑠璃子ちゃんの悪口で笑っていたのを知っている事をほのめかす。その言葉に女優達は再び凍りつく。今なら俺も発言許されるよね?
「確かにネーミングセンスはいい線行ってると想うよ。でも、悪口は聞かれちゃ困る人のいないところで言わなくちゃ、ね。」と極上の営業スマイルをお見舞いした。いや、皆さん、俺は怒っているんだよ、見惚れる場合じゃないと思うんだけれど…。「そぉだな。そのセンス、これからの演技にも生かせるように頑張ってくれや(笑)」暢気な口調で続ける監督に返事も出来ず、今度は顔色を真っ青にする女優たち。百面相はキョーコちゃんの特技だと思っていたけど、意外と色んな女性が持ち備えた技術なのだろうか。キョーコちゃんの百面相はもっと面白いんだけどね。そんな事を考えていると俺の服の袖口が引っ張られる感触にそちらを見やるとキョーコちゃんが控えめに袖口を引っ張っている。「あの、もう…その辺…で……。」あぁ、いたたまれないんだろう。多分一番酷い事を言われたりされたりしたのは君なのに、彼女達が可哀想とか思ってるんだなぁ。
「ハイエナ部員のくせに敦賀さんに頭を撫でてもらうなんて相変わらず図々しいわねっ!」
「瑠璃子ちゃん、違うの、コレは…」瑠璃子ちゃんっておこりんぼなんだ。なんとなくキョーコちゃんに対する扱いは琴南さんと近いものがあるよな。
「そんなウジウジしてるからその辺の有象無象にやり込められるのよっ!あんたはちゃんと期待に応えてるんだから、ちゃんと自信を持ちなさいっ!」その通りだよキョーコちゃん。瑠璃子ちゃん、ちょっと顔が赤いよ。君はツンデレなんだね。