サイド蓮
記「それは…、敦賀さんが京子さんに好意をお持ちという事ですか?」
今まで当たり障りなくインタビューをしていた記者の雰囲気が変わった。獲物をロックオンしたような視線を受け止めて尚、俺は平静を装う。
蓮「ええ。京子さんの事はすきですよ。」
記「えっ、それはどういう意味ですか?恋愛感情ととって問題ないですか?」
蓮「彼女は今回の役作りにも一生懸命でした。それは俺の目に好意的に映ったので協力したんです。」
記「それは敦賀さんが京子さんを『好き』だからじゃないんですか?」
俄然やる気で身を乗り出してくる記者にちょっとうんざりしながら俺は続けた。
蓮「ええ、好きですよ。凄く泣き虫で、一途で、何事にも一生懸命。それが彼女です。その全てが魅力的で俺を引き寄せます。俺だけじゃない。京子さんと一緒に仕事をした人は皆さん彼女を好きになる。老若男女を問わず、彼女に魅了されてしまうんです。」
記「はぁ、でも京子さんはまだ新人でそれほど知名度もありませんし、敦賀さんが力説するほどには…」
蓮「ご存知ですか?京子さんは、彼女はうちの社長、ローリー宝田の秘蔵っ子と言われているという事を…。」
記「えっ?あの宝田さんの眼鏡に叶っているんですか…?」
蓮「断言してもいい。近い将来、彼女は日本全国にその実力を認められる。『敦賀蓮』の名前などちっぽけに思えるほどに彼女は成長します。だから、今はこんなスキャンダル紛いの些細な事で彼女の可能性を、俺達の希望を潰さないでくださいませんか?」
記「……はい。」
この取材はファッション誌のインタビューだったはずなのだが、内容は俺と京子さんの話題に時間とエネルギーを費やしてしまい、本題に入る前に時間がなくなってしまったと記者は謝って取材を打ち切った。だが、このインタビューの内容は編集用に録画されていて、記者はこの映像をメディアに流したいと申し出てきた。俺自身は構わないが社長の許可を取るようにと答えた。この映像が全国で流れれば、京子さんをバッシングする風潮は落ち着くだろう。ビッグネームの敦賀蓮と大手芸能プロのローリー宝田がバックにいると解ればバッシングなんて命知らずな事をするメディアはいなくなるはずだ。
俺が京子さんを守るために出来る事は本当に少ない。彼女がそれを必要としているのかどうかも俺には解らない。だが、俺は俺に出来る事をする、それしかできない非力な男だ。
記「それは…、敦賀さんが京子さんに好意をお持ちという事ですか?」
今まで当たり障りなくインタビューをしていた記者の雰囲気が変わった。獲物をロックオンしたような視線を受け止めて尚、俺は平静を装う。
蓮「ええ。京子さんの事はすきですよ。」
記「えっ、それはどういう意味ですか?恋愛感情ととって問題ないですか?」
蓮「彼女は今回の役作りにも一生懸命でした。それは俺の目に好意的に映ったので協力したんです。」
記「それは敦賀さんが京子さんを『好き』だからじゃないんですか?」
俄然やる気で身を乗り出してくる記者にちょっとうんざりしながら俺は続けた。
蓮「ええ、好きですよ。凄く泣き虫で、一途で、何事にも一生懸命。それが彼女です。その全てが魅力的で俺を引き寄せます。俺だけじゃない。京子さんと一緒に仕事をした人は皆さん彼女を好きになる。老若男女を問わず、彼女に魅了されてしまうんです。」
記「はぁ、でも京子さんはまだ新人でそれほど知名度もありませんし、敦賀さんが力説するほどには…」
蓮「ご存知ですか?京子さんは、彼女はうちの社長、ローリー宝田の秘蔵っ子と言われているという事を…。」
記「えっ?あの宝田さんの眼鏡に叶っているんですか…?」
蓮「断言してもいい。近い将来、彼女は日本全国にその実力を認められる。『敦賀蓮』の名前などちっぽけに思えるほどに彼女は成長します。だから、今はこんなスキャンダル紛いの些細な事で彼女の可能性を、俺達の希望を潰さないでくださいませんか?」
記「……はい。」
この取材はファッション誌のインタビューだったはずなのだが、内容は俺と京子さんの話題に時間とエネルギーを費やしてしまい、本題に入る前に時間がなくなってしまったと記者は謝って取材を打ち切った。だが、このインタビューの内容は編集用に録画されていて、記者はこの映像をメディアに流したいと申し出てきた。俺自身は構わないが社長の許可を取るようにと答えた。この映像が全国で流れれば、京子さんをバッシングする風潮は落ち着くだろう。ビッグネームの敦賀蓮と大手芸能プロのローリー宝田がバックにいると解ればバッシングなんて命知らずな事をするメディアはいなくなるはずだ。
俺が京子さんを守るために出来る事は本当に少ない。彼女がそれを必要としているのかどうかも俺には解らない。だが、俺は俺に出来る事をする、それしかできない非力な男だ。