急に降りだした雨に慌てて車に戻った。
ドラマのロケで横浜に来ている。俺は愛車で小旅行気分でやってきた。なぜなら、最上さんに『乗ってかない?』と冗談っぽくダメ元で誘ったら、なぜかあっさりと二人でドライブなんて事になったからだ。いや、実のところ、同行するはずだった社さんがノロ感染で急遽ダウン、自宅で謹慎隔離状態なので、以前一度代マネをしてもらった最上さんに頼む事になったという業務上の流れなのだが。『敦賀さんがそんな冗談言えるなんて意外です。私だからいいですけど、他の女性にそんな事言っちゃったら確実に勘違いされて付きまとわれちゃいますからね(笑)』と少し頬を染めて視線を逸らしながらそう抗議する彼女に『はい、気を付けます。』と言いながらも口角が上がるのを押さえきれずにいたら、『もぉっ!ちゃんと私の話きいてくださいよ。敦賀さんはご自分の立場や知名度や人気に無頓着すぎますっ!』と、怒られる。『ごめん、ごめん、ちゃんと聞いてるから。』
最上さんは口を尖らせてそっぽを向いてしまった。そんな仕草もかわいいなぁ…。スッと取り出した携帯でその横顔を一枚いただいたのだが、さすがに怒られてじった(笑)
写真だけは死守したけど。そんなやりとりもあり、ロケ当日。片道90分ほどの密室は他愛ない会話と笑い声で満たされていた。なんと充実した時間だろうか。最上さんは俺が運転中に食べられるようにと摘まみやすいサイズのサンドイッチのお弁当を持ってきてくれた。食事に疎い俺がわざわざ食事の時間を考えるとは思わなかったのだろう。いや、君となら何をすっ飛ばしてもテーブルを囲みたいと思う気持ちには気づいてもらえないんだよね。
彼女の予想通り朝はコーヒーだけで済ませてしまった俺に、『そんな事だろうと思いました。』と可愛らしい笑顔で小さな爪楊枝にさした一口サイズのサンドイッチを差し出す。それを口でぱくっと受けとると彼女は若干狼狽えるが、俺の『おいしいよ』の言葉にまた笑顔になる。
はぁ…、なんだか恋人同士になった気分だ。今の俺は凄く幸せだ。この気持ちを彼女と共有出来ればいいのに…。
そんな素敵なドライブを楽しんで現地入りした俺はすこぶる調子がよくてトントン拍子に撮影は進んでいった。俺の勢いに感化されて他の役者さんたちもいい動きが出来たと言ってくれる程に。最後に海の近くの公園のシーンがあるのだが、生憎の雨にみな退避して雨宿り中なのだ。
車に戻ると少し濡れてしまった俺に最上さんは大きなタオルを差し出した。そして、俺が滴を吹き終わる頃にすっと暖かいジャスミンティーを手渡してくれる。
『この季節でも雨に当たれば冷えますからね…』とキューティーハニースマイル。駄目だ、その顔は反則だよお嬢さん。
思わず無表情に固まってしまった。
そんな俺に不安な表情を浮かべる最上さんも文句なしに可愛いと思う俺はやはり重症だ、
俺は彼女にくすっっ微笑みかけて軽く頭をポンポンと撫で、彼女越しに窓の外の天気を伺うと。
そろそろ雨足が穏やかになってきている。雨よ、不謹慎だけど、もぉほんの少しだけ、俺たちを包んでいておくれ。他の誰にも見えないように俺たちをの今を隠しておくれ。
ドラマのロケで横浜に来ている。俺は愛車で小旅行気分でやってきた。なぜなら、最上さんに『乗ってかない?』と冗談っぽくダメ元で誘ったら、なぜかあっさりと二人でドライブなんて事になったからだ。いや、実のところ、同行するはずだった社さんがノロ感染で急遽ダウン、自宅で謹慎隔離状態なので、以前一度代マネをしてもらった最上さんに頼む事になったという業務上の流れなのだが。『敦賀さんがそんな冗談言えるなんて意外です。私だからいいですけど、他の女性にそんな事言っちゃったら確実に勘違いされて付きまとわれちゃいますからね(笑)』と少し頬を染めて視線を逸らしながらそう抗議する彼女に『はい、気を付けます。』と言いながらも口角が上がるのを押さえきれずにいたら、『もぉっ!ちゃんと私の話きいてくださいよ。敦賀さんはご自分の立場や知名度や人気に無頓着すぎますっ!』と、怒られる。『ごめん、ごめん、ちゃんと聞いてるから。』
最上さんは口を尖らせてそっぽを向いてしまった。そんな仕草もかわいいなぁ…。スッと取り出した携帯でその横顔を一枚いただいたのだが、さすがに怒られてじった(笑)
写真だけは死守したけど。そんなやりとりもあり、ロケ当日。片道90分ほどの密室は他愛ない会話と笑い声で満たされていた。なんと充実した時間だろうか。最上さんは俺が運転中に食べられるようにと摘まみやすいサイズのサンドイッチのお弁当を持ってきてくれた。食事に疎い俺がわざわざ食事の時間を考えるとは思わなかったのだろう。いや、君となら何をすっ飛ばしてもテーブルを囲みたいと思う気持ちには気づいてもらえないんだよね。
彼女の予想通り朝はコーヒーだけで済ませてしまった俺に、『そんな事だろうと思いました。』と可愛らしい笑顔で小さな爪楊枝にさした一口サイズのサンドイッチを差し出す。それを口でぱくっと受けとると彼女は若干狼狽えるが、俺の『おいしいよ』の言葉にまた笑顔になる。
はぁ…、なんだか恋人同士になった気分だ。今の俺は凄く幸せだ。この気持ちを彼女と共有出来ればいいのに…。
そんな素敵なドライブを楽しんで現地入りした俺はすこぶる調子がよくてトントン拍子に撮影は進んでいった。俺の勢いに感化されて他の役者さんたちもいい動きが出来たと言ってくれる程に。最後に海の近くの公園のシーンがあるのだが、生憎の雨にみな退避して雨宿り中なのだ。
車に戻ると少し濡れてしまった俺に最上さんは大きなタオルを差し出した。そして、俺が滴を吹き終わる頃にすっと暖かいジャスミンティーを手渡してくれる。
『この季節でも雨に当たれば冷えますからね…』とキューティーハニースマイル。駄目だ、その顔は反則だよお嬢さん。
思わず無表情に固まってしまった。
そんな俺に不安な表情を浮かべる最上さんも文句なしに可愛いと思う俺はやはり重症だ、
俺は彼女にくすっっ微笑みかけて軽く頭をポンポンと撫で、彼女越しに窓の外の天気を伺うと。
そろそろ雨足が穏やかになってきている。雨よ、不謹慎だけど、もぉほんの少しだけ、俺たちを包んでいておくれ。他の誰にも見えないように俺たちをの今を隠しておくれ。