アメリカ文学史に残る天才、スコット・フィッツジェラルドの短編小説が原作の話題の映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
『セブン』のデヴィッド・フィンチャー監督が映画化した3時間5分の大作です。
CM予告をご覧になった方も多いと思いますが、ストーリーは単純明快。
しわくちゃの80歳の老人のような姿で生まれた男の子が時間の流れと共に若返っていく数奇な人生を回想録のように描いています。
主人公のベンジャミン・バトンを演じるのはブラッド・ピット。
共演のデイジー役は『バベル』でブラピと共演したケイト・ブランシェット。
舞台は第一次世界大戦時から21世紀に至るまでのニューオリンズ。
ある夫婦に赤ちゃんが誕生します。
父が出産の場に駆けつけた時に「子供を頼みます」との言葉を残し母は命を落としてしまいます。
生まれた子供は老人のような風貌の赤ちゃん。
父は、やるせなさにある屋敷の階段に我が子を置き去りにします。
そこは老人ホーム。
拾われた赤ちゃんはベンジャミンと名づけられ、老人と共に暮らすことになります。
生まれた時から老人のように筋肉は硬縮し関節も曲がらず医者には長生きできないと宣告されるのですが、予想に反して時間の流れに逆らうように肉体が若返ってきます。
誰とも違う数奇な人生を歩まなくてはならないベンジャミン。
愛する人との出会いと別れを経験し、人生の喜びや死の悲しみを知りながら、時間を刻んでいきます。
老人で生まれたベンジャミンの最後の時は・・予想の通り。
大きな展開もなくハラハラドキドキもないのですが、3時間を越える「長さ」をまったく感じない作品でした。
脇を固める俳優人も実力派揃い。
味のあるキャラクターも多く小ワザが効いてて見所満載でしたよ。
ブラピは、20~80代を演じ、老人の風貌のシーンが大半でしたが印象に残るのは40代のブラピの等身大のカッコよさ。
そして20代の青年の姿も、まったく違和感はなく日本のドラマでトシを重ねた俳優さん青年時代の自分の役を再現したりする痛いシーンがありますが、さすがブラピ。
映像の技術もあるのでしょうが少年らしさの残る青年そのものでした。
洋画は意外と本編の終了と同時に座席を立ち上がる人も多いのですが、エンドロールの最後までほとんどの人が着席したままだったのが印象的でした。