今日の関東は朝から曇天だ。
私のいる地方では時々霧雨が降り、気づいたら止んでいる、を繰り返している。

明日の朝飲む牛乳がないよ、と息子が出がけに言っていたのを思い出し、雨の合間を縫って近所のスーパーに行こうと外に出た。

曇天を睨み、あと10分持ってくれよ、と思いながら駐輪場な向かうと、明らかに飼い猫と思しき美しい黒猫と出会った。

短毛で混じり気なしのつやつやとした黒毛、すらりとした長い手足、金色の瞳、お母さんのお手製の紫色の首飾りには、可愛らしい鈴もつけてあり、愛されているのワタシ。と全身で言っているような黒猫。
はた、と目が合うとにゃーんハートと言いながら近づいてきてくれ、ご丁寧にお腹を見せてくれて、湿ったアスファルトの上でくねくねと艶めかしい。
濡れちゃうよ…撫でたい欲望にかられるも、グッと我慢した。
撫でてくれないのね…とちょっと拗ねた顔をして、ならばと足元にスリスリしてくれた。
おまけよ、と持っていたカバンの角に頭をスリスリして、じゃあね、とどこかに行ってしまった。
本当に3分もないような時間なのに、頭から離れない。
ちゃんとおうちに帰っただろうか。
堂々とした佇まいから、普段室内飼いで逃げてきたとは考えづらい。

そんなことを家に帰って考えていたら、瑛人に足をガブリとやられた。
何故だろうこの見破られてる感。
別にやましい事なんて何もないけど、と言いながらシーバを3粒おやつにあげてみる。
その様子をあずきに見られていて、何故か笑われたような気がした日曜日の昼下がり。