「誓約」薬丸 岳

「アポロンの嘲笑」中山 七里

「れるられる」最相 葉月

「我が心の底の光」貫井 徳郎

「ダブルフォールト」真保 裕一

「水やりはいつも深夜だけど」窪 美澄

「叛徒」下村 敦史

次男が地方の大学に行くことになり、先月末から忙しくしていました。私も夫も長男も、ひとりぐらしの経験がないので、わが家からは初ひとりぐらしになります。
さびしいなぁ。
長男は社会人2年目に。学生時代は朝が苦手だったのに、今では毎朝6時に家を出ています。
子どもは成長した。
さて、私は?…。
あと何年ぐらい生きていくのか…。
子育て中より楽しいことなんてないんじゃないかな。
でも寿命までは元気に明るい気持ちで頑張らなければ と思います。





北綾瀬署管内で、傷害事件が発生。被害者が暴力団風の青年ということで、暴力犯担当の甘糟がよばれた。甘糟は35歳。童顔でまったく凄みがない。
事件は暴力団の抗争になるかと思われるが…。



こんな弱々しいマル暴刑事はいないんじゃないかと思いつつも、楽しい話でした。その筋のアキラと甘糟との やりとりがいい感じ。





望まない職場で憂鬱な日々を送るOLの直美。
夫の酷い暴力に耐える専業主婦の加奈子。
三十歳を目前にして、受け入れがたい現実に
追いつめられた二人が下した究極の選択…。



二人の行動は、とんでもないものですが、応援しながら読みました。最後までドキドキします。





貧困、ブラック企業、保険金殺人、孤独死…。鈴木陽子という平凡なひとりの女が、社会の暗部に足を踏み入れる。



陽子はただ普通の暮らしがしたいと思っているのに、暗いほう、暗いほうへと転がってしまう。
悲しい話だと思い、読みすすめたが、それだけではない話で、大きな驚きもあった。






長く連れ添ったばあさんが亡くなってから、十年近く経った。一人暮らしをしていたが、海外住まいの長男が日本に戻ることになり、嫁と孫娘と一緒に暮らすことになった。小学三年生の孫は、なかなか友だちとなじめないらしい。あるとき、学校から竹とんぼ作りを教えてほしいと頼まれて…。(孫と誕生会)
家族たちのはなし。全7編。



姉妹、親子、夫婦、家族の形はさまざまだけれど、みんな 誰かに大事にされ、愛されてきた という温かな話。
ちょっと綺麗事すぎるようにも思いますが、素直にいい話です。






大森署署長・竜崎伸也は、いかなる危機でもぶれない。
部下、同僚らは竜崎に尋ねる。署内で漏洩が疑われたら。訓練時に自信を失ったら。気難しい上司がきたら。警官が発砲したら…。竜崎に迷いはない。



隠蔽捜査シリーズスピンオフ第2弾。
竜崎の言動は、警察関係者だけでなく、私のような主婦にも気づきを与えてくれます。






中学生の逢沢りくは、嘘泣きが得意な美少女。母親の勝手で、東京の実家から関西の親戚に預けられたりくを襲うあたたかな試練の数々に…。



ほしよりこさんの猫村さんが大好きなので、読んでみました。

…これも大好きになりました。図書館で借りたのですが、買ってしまいました。
親戚の家の坊やがすごくいい子で、泣きました。
頑な美少女が、変わります。
いい話です。
下巻が最高です!
まぁ上巻あっての下巻なのですが。
関西の人たちが素敵です。大阪弁はちょっと恐い感じがして苦手なのですが、大阪に行き、街中の会話を聞きたくなりました。






「食は人の天なり」医師・源斉の言葉に触れ、料理人として自らの行く末に決意を固めた澪。
「みをつくし料理帖」シリーズ完結。



全10作。
続きを楽しみにしていた本なので、終わってしまい、さびしいです。
主人公と周りの人たちの自然な気配りと優しさ、おいしそうな料理が、明るい気持ちにさせてくれる話でした。






訪問診療をする「あすなろクリニック」の物語。
高齢者医療、末期医療、精神科医療、介護、看取り、死化粧などをめぐる短編集。



医師でもある著者が書いたこの話は、ほぼ実話に基づいているとのこと。
それだけに生々しい記述が多く(特に第1話)、読みたくなかったなぁと思う場面もありました。
しかし、これが死ぬこと含めての生きることだと考えさせられました。
自分は人に迷惑をかけずに穏やかに死にたいと思いますが、それはどうにもできないことで、仕方ないのでしょう。
でもやはり さっぱり死にたいものです。