キャバクラ‥
アルバイト情報誌、○ンを見て、その店を決めた。
なぜ、そのお店を選んだのかはもう忘れた。
「スタッフの仲が良く、働きやすいお店です。」
‥多分、そんなキャッチフレーズだったんだろう。
今、考えると、当時は梅田で働いていたんだから、北新地のキャバクラって選択肢もあるし、その方がずっと自給がよかったはず。。だけど、当時の私はなんせ自信がなかったのだ。
東通りにあったそのキャバクラは、『 New Club JJ 』という名前だった。
一階にラーメン屋さんが入っていて、JJはその5階だった。
エレベータを降りると、20坪ぐらいの部屋が二つあり、一つは更衣室、兼待機室で、忙しくなるとその部屋はカラオケルームのようにして使われていた。
チープな店内は照明を暗くする事で、ソファーのシミや、タバコで焼けたじゅうたんを隠した。
自給はスライド制。入店してすぐの頃は確か1800円ぐらいの安い店だった。
場内指名、本指名、ドリンクで稼いだポイントで、次の月の自給が決まるシステム。
昼間の仕事が終わるのが午後8時~9時。
通える時は毎日その店に通い、朝まで働いた。早く、自信をつけたかった。彼を見返したかった‥。
いや違う。。彼をおとしたかったんだ!!![]()
お客は…というと、キャッチされて上がってきたサラリーマンが中心で、20代~30代。
それまでも、スナックでのアルバイト経験ぐらいはあったけど、その頃は若かった事もあり、座ってるだけでそれなりに重宝された。。だけど、キャバクラは指名を取って、ドリンクを頼んでなんぼ!![]()
クローゼットの扉の裏には、ポイントグラフと姉妹店のランキング表が張ってあり、嫌でもそれを見ることになる。
もともと、超のつく人見知りなMighty‥。なかなか指名がとれない。
とれるのは、ややこしーい、皆が座りたがらないお客ばっかり。![]()
酒乱だったり、お触りがひどかったり、飲みに来てるのに何も喋らなかったり。。
誰にも相手をされないから、やさしく接したら指名してくれる。
それはそれでありがたかったが、体も心も持たない。どうしたら指名が取れるんだろう‥!?
JJは、女の子に対して、担当のボーイ(黒服)がいて、毎日の出勤確認をしたり、ポイントの管理、プライベートの相談に乗ったり、客の落とし方を伝授したりと、かなり指導熱心なお店だった。![]()
私には、たか兄という、背の高い、いかにも水商売です‥って感じの担当がついた。
たか兄は、私をとても可愛がってくれた。
金髪にギャルメイク、敬語が使えない女の子が多い中で、黒髪のショートカットのオドオドした私が新鮮に映ったのだろう。。
毎日、電話をくれ、送りの車まで見送り、私を特別扱いしてくれた。
成績が出なくても、どうしたら良いのかを長い時間一緒に考えてくれた。
‥今考えると、色(恋愛してるフリ)で私の士気を上げていたのかもしれない。
次第に、「オマエの事、本気で好きになりそう。」「罰金払ってでもつき合ってほしい。」
(ホステスと黒服が付きあうのは厳禁!バレたら200万の罰金か、首になる事になつている。)
‥と頻繁に言うようになっていた。
私は全くタイプではなかったが、自称モテ男のたか兄がそう言ってくれる事で、すごく自信になった。
いくら成績が出なくても頑張ろうと思った。
そうこうしてるうちに、数ヶ月が経ち、オイラはオヤジキラー
(といっても30代)と呼ばれるまでに成長した![]()
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たまたま若いギャル系の女の子が多かった中で、素人くさい22歳の女が逆に目立ったのだろう!
少しづつ、自信を取り戻し始めたある日、よっしーと言う男の席に座った。
30代後半のサラリーマンの彼は、超がつくほどのTHE・いい人‥だった。
私が仕事に出る日は、毎回同伴してくれた。
好きなボトルを入れさせてくれて、何時間でも延長してくれた。
(その頃は飲みやすくて、すぐなくなるって理由で、柚子小町ってリキュールをよく飲んでた。今でもスキ
)
右も左もわからぬまま飛び込んだキャバクラ‥
半年後、よっしーのおかげもあって、週3日ほどの出勤で、No.2に!!
入った頃は2000円にも満たなかった自給が、倍以上取れるようになっていた。![]()
季節は秋。
久しぶりにNくんと連絡を取って、食事の約束をした。
N:「オマエなんか雰囲気変わったな‥。」
私:「そっかな?一緒だよ。」
N:「いや、前と全然違う。なんか余裕のオーラが漂ってる。。」
私:「普通だって。Nくんと遊んでた時は、長く付き合ってた彼と別れたとこだったから、疲れてて‥
なんか自分じゃなかったんだよ。」
思った通り、食いついてきた。![]()
Nくんは自信満々の女が好き。!
手に入らない女が好き!
想像以上の食いつき驚いた。
「何かあるハズ‥!男が出来たな!!」
必要以上に勘ぐる彼に、訳あって、キャバクラで働いてる‥。と話した。
(アンタをおとす為にな!!な~んて口がさけても言わないけど‥。)笑
「頑張って、NO.2までいったよ!」‥そう言うと、彼の目はみるみるうちに変化した。
獲物を見つけた目。。「やっぱり俺の目に、狂いはなかったな~
」含み笑いしながらそう言った。
「そうか~、今、俺はNO・2と飲んでるんか~。タダでキャバ嬢と飲んでるんか~。」
わかりやすい男だった。ある意味、素直な男だった。
案の定、わかりやすいその男は、2軒目も行こうと誘ってきたが、これ以上飲んだら、もうNOと言えなくなる!
理性が保てなくなる‥まだズルズルとはまり込んでしまう。
本とは一緒に居たかったけど、断腸の思いで誘いを断り、タクシーに乗り込んだ。
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