「告白」観た後すぐ見たら重いかな?と
一旦「SATC」でワンクッション置いたんですが(笑)
やっと観てきました。
1990年頃。千葉の漁港町にある公立病院。
ずっと大きな大学病院からお医者さんを
派遣してもらってるんだけど
藪医者にもほどがある・・・
そこにやってくる堤真一扮する有能な外科医、当麻。
よくある設定ですがこういう話なら
そこはさらっと普通でOK。
今までは、ここじゃ無理~大学病院に送って~って
匙を投げてたような手術を軽々とこなし
部下の医師や看護師たちから慕われる。
反面元いた派遣医師たちからはうとまれて・・・
そこに肝臓がんの患者が。
そして脳死した高校生が・・・
日本では当時脳死肝移植は認められておらず
脳死患者の心臓を止めることは
殺人を意味した。
しかし生前ボランティアで他の人の役にたちたいと願っていた息子の遺志を
汲んでほしいと母親が訴える。
そしてマスコミの好奇な目にさらされながら
手術をする決意が固まる。
語り部のナースの夏川結衣。
息子の臓器を提供する事になる母親が余貴美子。
どちらも素晴らしかった。
押し殺したような表情が胸を打ちました。
夏川は中堅のナースなんだけど
それまでただ漫然と働き愚痴を日記にこぼす毎日。
手術器具の扱いも乱暴にしてたのを
初対面で当麻にとがめられる・・・
それが当麻の技術にふれ、
自分も努力し始める。
手術がスムーズに進むように
常にビデオを見ながら器械出しの練習。
しっかりまとめられたノート。
仕事ってこういう事なんだと思い知らされる。
劇中ちょっとなごむのは
手術中に音楽をかける場面。
曲はなぜか都はるみ・・・
スタッフたちからブーイングが出て却下させられて
ふくれる当麻先生。
最後肝移植手術では「どうぞ聴いて下さい」って
差しだされる・・・
みんなこの手術が終わったら先生はやめてしまうってわかってて
それでも必死に手術にいどむ。
手術シーンも流れるように美しい。
移植した肝臓に血液が通い
真っ白だったところがふわ~~~っとピンク色に変っていく。
夏川結衣といい感じになりそうで結局その片鱗もなく
安易な恋愛要素がないのもいい。
記念写真を撮る時も仏頂面。
それでも最後に、去ってゆく当麻に
「私実は都はるみ好きです!
好きになったんです!」ってとっちらかって叫ぶ。
なんかほほえましい「告白」
その後成長した夏川の息子が
医師となって赴任した先は
片田舎の小さな病院。
その院長室には都はるみのカセットと
みんなで撮った記念写真が。
全体的にわかりやすく上品な感じで
地味ながらとてもすっきりした気分になれました。
「告白」の直後に観てもよかったかも!?