散々騒いで、パーティはお開きになった。
大野さんはそのまま翔ちゃん家に泊まっていくらしいが、俺たちと潤くんは二人に見送られて帰途についた。
「あんま、無理すんなよ」
まだ顔が赤い俺に、潤くんが囁く。
ほんの少ししかワイン飲んでないのに、俺ってお酒弱いのかなぁ。情けないよねえ?
そう愚痴ったら、「そーゆー事言ってんじゃないんだけどね」と呆れられた。
え?じゃあ、どーゆう事?
なんか頭がふわふわするな。
「相葉先輩!にのの事、頼みますよ」
と、潤くんはまーくんに声をかけた。
まーくんが「おう、任せとけ!」と応えたのに頷く潤くん。そして笑顔で大きく手を振り、帰っていった。
「もー、なんなのぉ」
「はいはい、帰るよー」
そう言って、まーくんが俺に背を向け、軽くしゃがんだ。
「え、なぁに」
「眠いんでしょ、おんぶするから」
「えぇー、歩けるもん」
「なになに、お姫様抱っこのがいいって?」
それを聞いた俺は慌てて背中に乗っかった。
冗談だとは思うけど、本当にやりかねないのがまーくんだ。
まーくんの背中が温かい。
ゆらゆら気持ちよくて寝ちゃいそう。
小さい頃、よくおんぶしてもらったな。
いつだって安心できる、大好きな背中。
離れたくない。
突然、そんな想いが湧き上がる。
お正月だろうが、なんだろうが、離れたくない。一緒にいたい。
なぜか涙で目が霞んだ。
どうしたんだ、俺は。
もうずっと一緒にいるのに。
どれだけ一緒にいたら気が済むんだろう?