あんなに「暑い暑い」と毎日溶けていたのに、気がついたら急に寒くなってびっくりする。
秋はどこに行ったんだろ。
くっついて寝てれば暖かいとかタカをくくっていたけど、さすがに朝が寒過ぎた。
それで慌ててまーくんとお布団を買い足しに行くことにしたんだ。
まーくんがひとり暮らしをするアパートにずるずる入り浸って、なし崩し的に同居してからもう随分経つ。
最初はお互い慣れなくて、あれこれ失敗もしたけれど、今じゃそれなりに上手くやれてると思う。
「おっし!洗い物終了!」
朝ごはんの片付けをしていたまーくんが、お皿をカゴに置いて満足そうに宣言した。
俺は昨日の夜洗濯した物を丁寧に畳んでいるところ。俺は洗濯好きなので、もっぱら洗濯係をやっているんだ。お風呂に入る前に脱いだものを洗濯機に突っ込んで夜洗うようにしてる。
まぁ、事によっちゃ朝から洗わなきゃならない時もあるけどね…。ホントにね、ちょっと考えて欲しいよね。
そう思ってチラとまーくんを盗み見た。
昨夜は大丈夫だったけどさ、俺は腰が、なんならおしりも痛いんですけど!
「なぁになに?そんな顔して。ぱんつ見てエロいこと考えちゃった?」
バカ言ってんじゃないよ、冗談じゃない。
そんな顔ってどんな顔だよ。
まーくんはそばに来て、俺の耳を両手で包んだ。
「冷たあっ」
「そりゃ洗い物したからね。ここんとこ水が冷たくなったよなぁ。かずの耳真っ赤だよ、あったかーい」
「バカじゃないの!」
顔が近くてなんか照れる。
そう思うはしから、ちゅっとキスされた。
ほっぺたまで赤くなるのが自分でもわかる。
「…バカじゃないの」
ちっちゃい声で文句を言ったら、ぎゅうぎゅう抱きしめられた。
しかも何やらアヤシイ手の動き…。
「ほら!お布団、買いに行くよ」
俺は急いで立ち上がって、まーくんの腕から逃げ出した。
全くどんだけ体力あんだよ。
こっちの身がもたないっての。