「なんだ、これぇ!?……ぐほっ」
叫んだ勢いでビールでむせた。
録画していた「ニノさん」を観ていた俺は、涙目になりながらも画面の中のかずを凝視する。一緒に観たかった本人は、ここのところドラマの撮影が忙しくて今夜もまだ帰ってない。
髪の毛伸びて美人度が上がったな〜なんてヘラヘラ観てたらなんだこれ。
画面の中のかずは、とろっとろのわらび餅を風磨に「あ〜ん」とかしてんだけど!?
しかも、それ食べさせちゃうの!??
いや、そこはあげるフリで自分が食べるヤツだろ、それがお約束だろって!
つーか、箸!かずが使ってるヤツじゃん…。
とろっとろな風磨の顔。
おまえがわらび餅かっ。
しかも陣さんまで。
…いや、陣さんはまだいい。
風磨のヤツ、ペットボトルでもかずとイチャイチャしやがってさあ!
アイツこの頃マジで過剰じゃない?
おまえは翔ちゃんの手下なんじゃないの。あんなに敬愛してんのにさあ。
俺が翔ちゃんとのエピをあれだけ喋っても、全然平気そうで効きやしないし。なんなの、アイツ。かずに乗り換えてんじゃないだろな。
気がついたら手に持ってたビール缶を握りつぶしてた。ほとんど飲んでてよかった、あぶねぇあぶねぇ。この上掃除なんで最悪だろ。
「ただいま〜。あ、観てたんだぁ」
そこへ現れる呑気な恋人。
「観てたんだ〜」じゃないんだよ。
手を洗うかずにまでついて回って、ぶぅぶぅ文句をつけた。
「え〜?あそこで食べさせるって新しくない?その方がおもしろいじゃん」
そーゆー事じゃないんだって。
と、そこで気がついた。
今回の件はみーんなかずから仕掛けてる。
「もー!かずは人との距離感おかしいって」
お気に入りになるとほんとに近い。近すぎる。
嵐メンバーはゼロ距離でもいいんだよ。いつもの事だし、俺とかずのことよくわかってくれてるからね。
けどさ、俳優さんとか監督さんとか、なんならスタッフさんとか、みんなかずにたらされちゃって…、向こうが勘違いしたらどーすんだよ。
ジャにのメンバーも例外じゃないのか?
ええと、山田くんは、かずが「かず今ヒマしてる」とかなんとかメールしちゃう相手だけど、彼は大丈夫。たぶん。礼儀正しいし、ほぼ弟感だし。
中丸くんも、かずのこと先輩として崇めてるるから大丈夫。って思ってたのにさ、「この笑顔を守りたい」とか言い出してこの頃要注意人物。
そして風磨だよ。
「ニノさん」で共演しだした頃はなんかぎこちなかったくせに、今じゃアレだよ。
俺の前じゃビクついてるくせにさあ。
誰も俺の事怖がらないのに。やっぱ、自覚あるってことだろ。くっそう。
ソファに座ってまだぶぅぶぅ言ってる俺の膝に、かずが乗ってくる。その手には冷蔵庫に入れて置いたぶどうの入った小鉢。
「なぁに?あ〜んしてほしいの?」
「いや、そーゆー事じゃなくて、人との距離感の話をしてんの。近すぎるって」
……「あ〜ん」してほしいけど。
かずはんふふと笑ってぶどうを一粒、自分の口に放り込んだ。なんだ、してくれないんかーい。
そうだよなぁ、パンだってなんも言わずに口につっこんでくるもんなぁ。
ぶすくれる俺にかずが覆いかぶさってきた。
口に広がる爽やかなぶどうの風味。
「…んっ」
「おいし?」
「うん…」
口移しのぶどうは冷たくて、ちょっとぬるくて、すごく甘かった。かずの舌の感触に痺れる。
「俺とまーくんはゼロ距離でしょ?」
濡れた瞳にクラクラする。
でも違うよ。
かずとエロいキスする時も、俺がかずの中に入り込む時も、それはもうゼロじゃなくて、もはやマイナスだよね。
「ゼロ以下、つまりマイナスだよ」
「えぇ?なにそれ、そーなの?」
かずの目が笑う。
じゃあ確かめようか、ゼロ以下の関係を。
今更だけど思い知ってもらおうじゃないの。
俺はかずを深く抱き込んで、ソファに沈めた。
あとから思った。
俺、かずの手のひらで転がされてんのかなあ?ま、それもいいけどね!
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ワタクシの中の
相葉さん(*‘◇‘)が大暴れ笑
めっちゃぶぅぶぅ言ってます笑笑
のでこんなんなっちゃいました(´>∀<`)ゝ
ちょっと私信
Nさん、ごめんね
アイバグリーン活躍しなかった💦
←ムズかったのよね。。。