突然の誘いに、やっぱりポカンと口を開けたまま、頭の中では思考が高速回転し始める。

そりゃ、まーくんが二人で一緒に暮らしたいと思ってたことはわかってたよ。それは俺も同じ気持ちだし。ずっと一緒にいたいよ。
でももっと先の事だと思ってた。なんとなくだけど、大人っていうか、社会人になって自分で稼いでからだって。
今、急にそんな、さあ!って言われても…。
一緒に住むつまり同居、いや、同棲が正解か?
え、えぇ、同棲って…。
なんかさあ、同棲っていうとエロい響きを感じるのは俺だけ?内向きな、ちょっと陰な感じ。もう二人、毎日ヤってます!みたいな。
うわぁ恥ずい、めっちゃ恥ずいんですけど!

……ダメだ。
いくら回転してても、しょーもないことしか浮かんでこない。うわぁ、どーしよう。
と、その時。

ちゅっ♡

目の前にまーくんのドアップ。
俺のバカみたいに開いた口にキスされた。
俺は反射的にまーくんの肩を押した。

「ちょ、やめろよ!ここ外だろ!」
「外じゃなきゃいいんだ」
「はあ!?そーゆー事じゃ…」
「だって、あんまり可愛い顔してたからっ」

………いつも思うんだけど、どこから湧いて来るんだそんなセリフ。
おまえは漫画の主人公か!?ってツッコミたくなるような事を、ふつーにサラりと言えるのがスゴいよな。そんでもって、そこそこ似合ってて、なにより俺に刺さるってとこが、もうなんていうか…ズルいと思うわけ。