気がついたら泣いていた。
まーくんが心配そうに何か言ってるけど、頭がかぼちゃになってしまって上手く回らない。

「抱っこがいい…」

言えたのはそれだけ。
まーくんはうんうん頷くと、一度身体を離してあらためて俺を胸に抱きしめてくれた。
胸と胸がぴったり合わさって安心する。
まーくんが大きな手で、頭も背中も触れられるところ全部よしよししてくれた。
俺は涙で濡れたほっぺたをグリグリ擦りつける。
そうしてお互いの息が整うまで抱き合ってた。

頭がハッキリしてくると、背中に回した手でまーくんの背中が冷たいことに気がついた。たくさん汗をかいて冷えてしまったんだね。
そこで俺は大変なことを思い出した。
「あっ、俺!ソファ汚した!?よね!?」
どうしようどうしよう。
やっぱ部屋に行ってスればよかった。
シーツならなんとか洗えそうなのに。
慌てふためく俺をぎゅっと抱きしめて、まーくんは小さく笑った。
「大丈夫。俺のシャツで受けとめたから」
「へっ…」
ソファの下に落ちてる丸まったTシャツを見つめて、俺はこれ以上ないくらい赤くなった。



エッチの後始末ってなんかちょっとマヌケだよね。
そう思うのは俺だけ?
俺が子供なのかなあ?
一緒にシャワーを浴びながら、俺はまーくんのシャツを洗ってる。
ぶつぶつ言う俺をまーくんが笑いながら見てる。

「そう?俺はすっごく甘いと思うけど」

そんなこと言って俺にちゅっとキスをした。
うーん、確かに甘いのかもしれない。
俺は照れくさくて下を向いてこっそりニマニマした。
そこにシャワーの雨が大量に降り注ぐ。
「ぷっ、は!」
溺れそうな勢いで俺はワタワタしてる中、お風呂場に響くまーくんのイタズラな笑い声。
「おまえなあ!」
そこからはシャワーの取り合いになって、二人で大笑いした。