夕ごはんの間、あとのことを考えるとドキドキして気もそぞろ。
だってさ、これはある意味チャンスなんだよ。
これまでも何度か触りっこしたけど、なんて言うか…いつも触り負けしてる俺。
いっつもずるいんだよなあ。
けど、今日は俺が一方的に触れるわけで。
俺だって男だもん、触るほうが楽しいに決まってる!
いつも余裕なくてよく見てなかったけど、今日はまーくんの顔よぉぉぉく見てやるぞ。
心の中で笑ったつもりが顔に出てたらしく、「なぁににやけてんだよ」と口ににんじん押し込まれてしまった。
くそー、あとでみてろよ!
俺は黙ってにんじんをほぼ丸飲みした。


「はい!ここ座って」

まーくんをベッドに座らせ、両手でほっぺたを挟んでじっと見る。
俺の様子に神妙な顔つきをしてるけど、まーくんの目は笑ってる。「どうすんの?できる?」と言われてるみたいでちょっとムカついた。
なのでそのまま唇を合わせて、押し倒してやった。
「んんぅ」
なにか言いたそうだったけど、構わずに上に乗っかって深く口づけた。
そこでしばし考える。

うーん。
ここでまーくんは俺の胸を触ってくるけど…よくわからないな。まぁるい胸があるわけじゃなし、なにが楽しくて触るんだろ。ヘンな声が出ちゃうのを面白がってんのかなあ?
前に触った時はくすぐったがるばっかだったし。それで暴れられると負けちゃうな。

考えた末、俺は速攻ぱんつの中に手をつっ込むという直接行動にでた。
「んぶ、ぅ!」
びっくりしたのかまーくんが少しばかり暴れて、ビビった俺は顔を離した。
見れば真っ赤な顔で口をへの字に歪めてる。
あれ?気持ちよくない?
そんなはずないよな、気持ちいいとこは俺のとそんなに違わないだろ。
第一まーくんの、こんなになってんだから大丈夫だと思うんだけど。

「…気持ちい?」

そろそろと手を動かしながら様子を伺う。
相変わらず赤い顔のまま眉間に皺を寄せ、歯を食いしばってる。
もう一度「気持ちい?」と聞きそうになって気がついた。
なんだかいつもまーくんがしてる事をなぞってるみたい。まーくんは何度も気持ちいいか聞いてくるからね。正直ちょっとしつこいっていうか、めんどくさい時も、ある。

けど…。
やっぱり気持ちよくあってほしい。
もうそれだけ。それだけなんだ。
気持ちいいのが自分だけなんて論外。
その気持ちが何度も聞いてくる「気持ちいい?」なんだね。

俺は胸がいっぱいになって、わずかに覗いてる引き締まったまーくんのおなかにほっぺたを擦りつけた。
あぁ、やっぱりシャツ脱がしておくんだった。
肌をくっつけ合うの、たまんないなぁ!
ふんふんしてるとまーくんの手が俺の頭を撫でてくれた。

「気持ちいいよ」

うれしくて「んふふ」ってにやけるのが自分でもわかる。
と、そこでまーくんが腹筋を使って起き上がった。そのまま俺の脇に手を差し込んで、ひょいと膝の上に抱き上げられる。

「わっ、なに」
「でも俺、かずの中で逝きたいなっ」
「へ…?」

………………………はあぁ!?!

話が違くない!?