追いかけっこのように、ぱんイチのまま階段を駆け上がる。
部屋のドアを開けたところで捕まって、中になだれ込んだ。床にべしゃと潰れた上にのっかられて重い重い!

「なんで逃げんの。普通だろ?かずとくっついてんだからさぁ」

ブツブツ言いながら起こしてくれた。
そこで俺は着るつもりだったシャツを、下に置いてきたことに気がついて、タンスからテキトーにひっぱり出そうとした。
まーくんは呆れたように言った。

「あのさぁ、今さらいらなくない?」
「え、だっておなか冷えそうだもん」

しょうがないなあって、まーくんは持ってたバスタオルで俺を包むと膝の上に抱き上げる。

「シよって言ったのかずだよ」
「…うん」

そうなんだけどさ。
慣れないっていうか。
だいたいどっからそういう雰囲気になればいいのかわかんない。お友達から恋人モードになる過程がどんなだかさぁ。
じゃあ始めましょうってのもヘンだし。

困ってぎゅうううと抱きついた。
これでも合図になる?
まーくんはくふふと笑って抱きしめかえしてくれた。
髪に、ほっぺたに、唇にキスされる。
あったかくて気持ちいい。


…あれ?
ついさっきまで、ワタワタしてるまーくん見て余裕を感じてたのに。
立場が入れ替わっちゃった。

そんなこと考えてたら、まーくんの手がバスタオルの下に入ってきた。
背中からおしりに滑る手の感触にハッとする。
一瞬で鳥肌がたった。